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ビタミンE
Vitamin E

- 写真に掲載している食材の成分表一覧
[補足]
本文中の必要摂取量、推奨摂取量、上限値・下限値等は米国人を対象としたデータです。日本人に関するデータについては「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」などをご参照ください。
日本人の食事摂取基準(厚生労働省)
本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。
英語版最終アクセス確認日:2024年12月
これは医療関係者向けです。平易なビタミンEの概要については、「一般向け:ビタミンE」をご覧ください。
はじめに
ビタミンEは一部の食品に天然の含有物や添加物として含まれ、サプリメントとしても入手できる。「ビタミンE」とは、抗酸化作用が特徴の脂溶性化合物の一群を指す[1]。
天然のビタミンEには、それぞれ生物学的活性度が異なる8つの化学形態がある(α-、β-、γ-、δ-トコフェロール、および、α-、β-、γ-、δ-トコトリエノール)[1]。アルファ(α)トコフェロールのみが各組織に存在できる形として認識されている。
α-トコフェロール型ビタミンEの血清濃度は肝臓に依存する。小腸でさまざまな形のビタミンEを吸収した後、肝臓に送られる。肝臓では、α-トコフェロールだけが選択的に、肝性α-トコフェロール輸送タンパク質を介して再分泌される[1]他のビタミンEは、肝臓で代謝され、排出される[2]。α‐トコフェロールの血液および細胞中濃度に比べてそれ以外の型の血液および細胞中濃度が低い理由はここにあり、また、それらの型に関する研究が少ない背景でもある[3,4]。
抗酸化剤は、フリーラジカルによる損傷から細胞を保護する。フリーラジカルは非共有電子を有する分子である。フリーラジカルによる細胞損傷は心血管疾患や、がんの一因となるかもしれない[5]。非共有電子はエネルギーレベルが非常に高く、酸素と急速に反応し、活性酸素種(reactive oxygen species:ROS)を形成する。身体は、食品をエネルギーに変換する際、内生的にROSを生成するが、抗酸化剤は細胞をROSによる損傷から保護しているかもしれない。身体は、タバコの煙、大気汚染、太陽の紫外線などによる環境中のフリーラジカルにも晒されている。ROSは、細胞間シグナル伝達に関与している。
脂溶性の抗酸化物質であるビタミンEは、脂肪が酸化する際に形成されるROSの生成を抑制する。現在、ビタミンEのフリーラジカル生成を抑制し、他のメカニズムを介することによって、フリーラジカルに関連する慢性疾患の予防または発症遅延にビタミンEが役立つか否かを調べる研究が行われている。
抗酸化剤としての作用に加え、ビタミンEは免疫機能に関与し、また、細胞のin vitro研究で主に示されているように、細胞シグナリング、遺伝子発現調整、およびその他の代謝過程に関与する[1]。α-トコフェロールは、平滑筋細胞、血小板、および単球における細胞増殖と分化に関与する酵素であるタンパク質キナーゼCの活性を阻害する[6]。血管内部表面に、ビタミンE豊富な内皮細胞が並んでいるほうが、内部表面への血液細胞成分付着をより強く阻止できる。また、ビタミンEは、アラキドン酸代謝を抑制する2つの酵素の発現を亢進させて内皮からのプロスタサイクリン放出を促し、それにより血管を拡張させ、血小板凝集を妨げる[6]。
推奨摂取量
米国科学アカデミー医学研究所の食品栄養委員会(Food and Nutrition Board:FNB)が設定した食事摂取基準(Dietary Reference Intakes:DRI)には、ビタミンEや他の栄養素の推奨摂取量が提示されている[6]。DRIは、健康な人の栄養摂取の計画と評価に関する一連の基準値に対する総称である。これらの基準値は年齢や性別ごとに異なり、次のような項目がある。
- 推奨所要量(推奨量、Recommended Dietary Allowance、RDA):ほぼすべて(97%~98%)の健康な人の栄養所要量を満たすのに十分な1日あたりの平均摂取量であり、個人の栄養的に適切な食事を計画する際によく用いられる。
- 適正摂取量(目安量、Adequate Intake:AI):このレベルの摂取は、栄養の適切性を確保するために想定されており、RDAを策定するためのエビデンス(科学的根拠)が不十分な場合に設定される。
- 推定平均必要量(Estimated Average Requirement:EAR):健康な人の50%の必要量を満たすと推定される1日の平均摂取量。通常、集団の栄養摂取量を評価し、栄養的に適切な食事を計画するために使用される。また、個人の栄養摂取量の評価にも使用できる。
- 許容上限摂取量(上限量、Tolerable Upper Intake Level:UL):健康への悪影響はないと思われる1日の最大摂取量。
FNBの設定によるビタミンEの推奨量は、血漿中で維持される唯一の型であるα‐トコフェロールのみを対象としている。設定にあたりFNBは、フリーラジカルの過酸化水素に曝露した時の赤血球生存率測定検査で十分な保護作用を示すα‐トコフェロール血清濃度を基準とした[6]。FNBは、その参考データに高い不確実性要素があることを認めており、ビタミンEの必要量を評価するためのバイオマーカーを特定する研究の実施を呼びかけている。
天然由来のビタミンEは、d‐α‐トコフェロールと呼ばれ、合成型ビタミンEはdl‐α‐トコフェロールと呼ばれる。
ビタミンEの推奨栄養所要量(RDA)をミリグラム単位で表1に示す。ビタミンE(α-トコフェロール)1mgは、RRR-α-トコフェロール1mgまたは全rac-α-トコフェロール2mgに相当します。幼児のRDAを設定するにはデータが不十分であるため、母乳保育されている健康な乳児のビタミンE消費量に基づく適正摂取量(AI)が設定された。
年齢 | 男性 | 女性 | 妊娠 | 乳婦 |
---|---|---|---|---|
生後0~6カ月* | 4mg | 4mg | ||
生後7~12カ月* | 5mg | 5mg | ||
1~3歳 | 6mg | 6mg | ||
4~8歳 | 7mg | 7mg | ||
9~13歳 | 11mg | 11mg | ||
14歳以上 | 15mg | 15mg | 15mg | 19mg |
*適正摂取量(AI)
I国際単位とミリグラム(mg)
ビタミンEは、新しい「栄養およびサプリメント成分表」のラベルにmgで記載されている。[[7].米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)は、2020年1月からこれらの新しいラベルを使用するよう製造業者に要求したが、年間売上高1,000万ドル未満の企業は、2021年1月までビタミンEを国際単位(IU)で記載した古いラベルを使用し続けるだろう。[8].換算ルールは下記のとおり。
- ミリグラム(mg)からIUへの換算:
- α‐トコフェロール1mgは天然型の1.49 IU、合成型の2.22 IUに相当する。
- IUからmgへの換算:
- α‐トコフェロール1 IUは、天然型の0.67mgに相当する。
- α‐トコフェロール1 IUは、合成型の0.45mgに相当する。
例えば、15mgの天然α-トコフェロールは22.4IUに相当する(15mg×1.49IU/mg=22.4IU)。合成型α‐トコフェロールの場合は、33.3 IUとなる(15 mg x 2.22 IU/mg)。
ビタミンEの摂取源
食品
ビタミンEは多くの食品に含まれている。ナッツ類、種子類、植物油はα‐トコフェロールの最良の供給源であり、葉物野菜や強化シリアルにも相当量が含有されている(詳細は表2)[9]。米国人の食生活において摂取されているビタミンEのほとんどはγ‐トコフェロール型で、大豆油、キャノーラ油、コーン油などの植物油やその他食品から摂取される[4]。
食品(1オンスは約28g、1カップは240ml) | 1回当たりの摂取量 (mg) |
%DV* |
---|---|---|
小麦胚種油、大さじ1 | 20.3 | 135 |
ひまわりの種、ドライロースト(乾煎り)、1オンス(約28g) | 7.4 | 49 |
アーモンド、ドライロースト(乾煎り)、1オンス(約28g) | 6.8 | 45 |
ひまわり油、大さじ1 | 5.6 | 37 |
ベニバナ油、大さじ1 | 4.6 | 31 |
ヘーゼルナッツ、ドライロースト(乾煎り)、1オンス(約28g) | 4.3 | 29 |
ピーナッツバター、大さじ2 | 2.9 | 19 |
ピーナッツ、乾煎り、1オンス(約28g) | 2.2 | 15 |
コーン油、お大さじ1 | 1.9 | 13 |
ほうれん草、茹でたもの、1/2カップ(120ml) | 1.9 | 13 |
ブロッコリー、刻み、茹でたもの、1/2カップ(120ml) | 1.2 | 8 |
大豆油、大さじ1 | 1.1 | 7 |
キウイフルーツ、中1個 | 1.1 | 7 |
マンゴ、スライス、1/2カップ(120ml) | 0.7 | 5 |
トマト、生、中1個 | 0.7 | 5 |
ほうれん草、生、1カップ(240ml) | 0.6 | 4 |
*DV = 1日摂取量。米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)は、消費者が総合的な食生活の中で、食品やダイエタリーサプリメントの栄養素の含有量を比較するためにDVを設定した。ビタミンEに対するDVは、成人と4歳以上の小児で15mgである[7]。ビタミンE 1 mg = d‐α‐トコフェロール1 mg = 全rac-α‐トコフェロール2 mgFDAは、ビタミンEが食品に追加されていない限り、ビタミンE含有量を食品ラベルに表記することを要求していない。DVの20%以上を含む食品は、その栄養素を多く含む供給源と考えられるが、DVの低い割合の食品も健康的な食生活に寄与している。
米国農務省(U.S. Department of Agriculture’s:USDA)のFoodData Centralウェブサイトでは、多くの食品の栄養素含有量を掲載しており、α-、β-、γ-、δ-トコフェロールの含有量についても一部掲載している。また、USDAでは、栄養素含有量別および食品別に整理された、ビタミンEを含む食品の総合リストを提供している。
ダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)(eJIMサイト内:一般向け・医療関係者向け)
ビタミンEのサプリメントは、一般にα-トコフェロールだけを供給するが、これ以外の型のトコフェロールや、中にはトコトリエノールを含有する混合型ビタミンEのサプリメントもある。天然に存在するα-トコフェロールの立体異性体は1種類である。合成α-トコフェロールには(恐らく)8種類の立体異性体があり、等量ずつ含まれる。血清と組織には、そのうちの4種類のみが保持される[6]。すなわち、合成α-トコフェロール(製品ラベルには“DL”や“dl”と表示される)は、同じ量(重量、mg)の天然型(製品ラベルには“D”あるいは“d”と表示される)の半分の活性しか示さない。
ビタミンE限定のサプリメントのほとんどが67mg(天然ビタミンE100 IU)以上のビタミンEを供給する。これはRDA値よりも大幅に高い値である。
サプリメントおよび強化食品中のα‐トコフェロールは、その抗酸化特性を保持しながらも保存期間を長くするため、エステル化されていることが多い。体内で、エステル(α‐トコフェロール酢酸エステルとα‐トコフェロールコハク酸エステル)はα‐トコフェロールと同程度、効率的に加水分解および吸収される[6]。

ビタミンEの摂取状況
全米規模で実施された三つの調査(2001~2002年の米国国民健康栄養調査[National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES][10]、1988~1994年のNHANES III[10]、1994~1996年のContinuing Survey of Food Intakes by Individuals)[11]では、ほとんどの米国人の食生活が、ビタミンEのRDAレベルを下回っていることがわかった。しかし、調理で使われる油の量や種類については多くの場合不明で、計上されないため、実際の摂取量よりも低く推定されているかもしれない[6]。
FNBは、健康な成人のビタミンE平均摂取量は恐らくRDAを上回っているとする見解を示す一方で、低脂肪食では、ナッツ類、種子類や果物および野菜の摂取を意識的に高めない限り、ビタミンEが不足する場合がある、と注意を促している。[6,10]。1999~2000年に米国で行われたNHANESでは、成人の11.3%が400 IU以上を含むビタミンEのサプリメントを摂取していることがわかった[12]。
ビタミンE欠乏症
健康な人の場合、食事でビタミンEをほとんど摂取していなくても、明らかなビタミンE欠乏書の発症は稀で、また、明白な欠乏症状が発現することもない[6]。極めて低体重(1,500g未満)の未熟児はビタミンEが不足しているおそれがある。こうした乳幼児へのビタミンEの補充によって、網膜合併症など一部の合併症リスク(危険)が軽減するかもしれないが、同時に感染症などのリスク(危険)を増大させる[13]。
ビタミンEを吸収するには消化管で脂肪が必要となるため、脂肪吸収障害のある人は、そうした障害のない人よりもビタミンE欠乏症に陥りやすい。欠乏症の症状には、末梢神経障害、運動失調、骨格筋ミオパシー、網膜障害、免疫応答の低下が挙げられる[[6,14]。クローン病や嚢胞性繊維症患者、あるいは胆汁を肝臓から消化管に分泌できない人は、頻回な脂肪便の排泄や慢性の下痢があるため、トコフェロール・ポリエチレングリコロール‐1000スクシネートなどの水溶性のビタミンEの摂取が必要となることがある[1]。
脂肪の吸収不良を起こす稀な遺伝疾患である無βリポタンパク血症の場合、患者によっては高用量のビタミンE補充が必要になる(約100mg/kgか5~10g/日)[1]。無βリポタンパク血症によるビタミンE欠乏症は、神経刺激の伝達低下、筋力低下、失明に至る網膜変性などを引き起こす[15]。ビタミンE欠乏性運動失調症(Ataxia and vitamin E deficiency:AVED)も稀な遺伝性疾患で、肝臓のα‐トコフェロール輸送タンパク質に欠陥がある、あるいは欠損している。AVEDにおけるビタミンE欠乏症は重症で、高用量のビタミンEを補充しないと、神経障害や歩行不能に至る[16]。

ビタミンEと健康
ビタミンEには健康を促し、病気を予防・治療する潜在性があるとする主張は多い。ビタミンEがこのような保護効果を示す可能性のあるメカニズムには、その抗酸化剤としての作用、抗炎症プロセス、血小板凝集阻害、免疫増強における役割などがある。
健康におけるビタミンEの役割を明確にする上で障壁となっているのは、ビタミンE摂取量を有効な臨床転帰予測因子に関連付けするために役立つ摂取量と体内状態に対する実証されたバイオマーカーがないことである[[6]。本項では、ビタミンEが関与しているかもしれない4つの疾患(心疾患、がん、眼障害、認知低下)に焦点を当てる。
冠動脈疾患
ビタミンEが冠動脈疾患(coronary heart disease:CHD)の予防や発症遅延に貢献し得る可能性を示すエビデンスが得られている。複数のin vitro研究では、ビタミンEがアテローム性動脈硬化の原因となる低比重リポタンパク質(low-density lipoprotein、LDL)コレステロールの酸化を抑制することを明らかにした[6]。また、ビタミンEは、心臓発作や静脈血栓塞栓症の原因となり得る血栓の形成予防に役立つかもしれない [17]。
複数の観察研究では、心疾患の発症率低下とビタミンEの摂取量増大の関連性を示している。看護師約90,000例を対象とした研究において、ビタミンEの最大摂取者(主にサプリメントからの摂取)では心疾患発症率が30~40%低かった[18]。平均14年間のフィンランド人の男女5,133例に対する追跡調査において、食品からのビタミンE摂取量が多いほど、CHDによる死亡率が低かった[19]。
しかし、ビタミンEのサプリメントのCHD予防の有用性については、数件のランダム化比較試験により疑問が呈されている[20]。例えば、心臓発作あるいは脳卒中の発症リスク(危険)が高い約10,000例を4.5年間観察したHeart Outcome Prevention Evaluation (HOPE)研究[21]では、天然のビタミンEを400 IU/日摂取した対象者群の心血管イベントや心不全による入院あるいは胸痛の発症率は、プラセボ群を下回らなかった。その後、HOPE-TOO追跡調査[22]では、HOPE研究(対象者約4,000例)が2.5年にわたりビタミンEもしくはプラセボ摂取を継続した。7年間のビタミンE摂取は、心臓発作、脳卒中、不安定狭心症、心血管疾患死または他の理由による死亡のいずれにも有意な保護作用を示さなかった。それどころかビタミンE摂取者のほうで、心不全の発症、および、それによる入院の確率がそれぞれ13%、21%高い、という他の大規模研究では報告されていない想定外の、しかし統計的に有意な結果が得られた。
HOPE試験およびHOPE-TOO試験では、確立した心疾患または糖尿病を有する50歳以上の男女において、中程度の高用量のビタミンEのサプリメントが重篤な心血管イベントのリスク(危険)を低減しないことを示す有力なエビデンスを示している[23]。これらの知見は、ある程度の冠動脈狭窄を有する閉経後の女性423例が、1日2回、400IUのビタミンE(形態は特定せず)と500mgのビタミンCのサプリメント、またはプラセボを4年以上摂取した「女性の血管系ビタミンとエストロゲン研究(Women’s Angiographic Vitamin and Estrogen)」のエビデンスによって裏付けられている。 [24]。サプリメントが心血管への有益性(ベネフィット)を示さなかっただけでなく、これらのサプリメントを摂取した女性の全死因死亡率も有意に高かった。
ビタミンEが女性の心臓および血管に及ぼす影響を報告した最新の臨床試験では、45歳以上の健康女性約40,000例を対象に、1日おきに600 IUの天然由来ビタミンE(402mg)を摂取する群かプラセボ群に無作為に割付け、平均10年間追跡した [25]。心血管イベント(非致死的心臓発作、脳卒中、心血管系死亡を合わせたもの)全体の発生率と全死因死亡率に、これら両群間の有意差は観察されなかった。しかし、同研究からビタミンEを摂取した女性に関する有益かつ重要な結果が2点得られた。1点目は、彼女らの心血管系死亡率が24%低下したこと、2点目は、65歳以上で、非致死的心臓発作の発症率が26%低下し、なおかつ、その心血管系死亡率が49%低下したことである。
最近報告されたビタミンEと男性の心血管状態に関する臨床試験では、50歳以上の健康な医師約15,000例を、1日おきに400 IUの合成α‐トコフェロール(180mg)を摂取する群、毎日500mgのビタミンCを摂取する群、ビタミンEとビタミンCを両方摂取する群、プラセボ群に無作為に割付けた [26]。平均8年間の追跡調査期間中、ビタミンE(および/またはビタミンC)の摂取は重大な心血管イベント、心筋梗塞、脳卒中、心血管系死亡の発症率に影響を及ぼさなかった。また、ビタミンE摂取によって、出血性脳卒中リスク(危険)が有意に増加した。
概して、ビタミンEのサプリメントの常用が心血管系疾患を予防したり、あるいは、その疾患率や死亡率を低下させたりすることを示すエビデンスは、臨床試験で得られていない。ただし、こうした臨床研究の対象者の大部分は、既に心疾患や心疾患リスク因子をかかえた中年期および高齢者である。一部の研究者らは、CHD予防におけるビタミンEの潜在的な有用性を理解するためには、より若い参加者に高用量のサプリメントを摂取させる、より長い研究が必要かもしれないと示唆している[27]。若く、健康で、明白なCHDリスク(危険)のない人に対して、ビタミンEのサプリメントが何らかの保護効果を示すか否かを判断するためには更なる研究が必要である。
がん
ビタミンEなど抗酸化作用を持つ栄養素は、放置しておくと、がんの発生の要因となるおそれがあるフリーラジカルによる損傷から細胞成分を保護する [9]。さらに、ビタミンEは、食品中の亜硝酸化合物によって胃内に形成される発がん性ニトロソアミンの形成を遮断し、免疫機能を高め、がんを予防するかもしれない [28]。しかし、ビタミンE摂取と、発がんの関連付けを試みた臨床試験や調査から、ほとんどの場合、ビタミンEに有益性のないことが示されている。
HOPE-TOOおよびWomen’s Health Studyは、ビタミンE補充によるがん予防効果の有無を検証した。心疾患や糖尿病を有する55歳以上の男女を、天然のビタミンE 400 IU(268mg)/日群もしくはプラセボ群に無作為に割付け、7年間追跡したHOPE-TOOでは、がん新規発生数およびがん死亡数に有意差はみられなかった [22]。また、45歳以上の健康女性に、10年間、1日おきに天然のビタミンE 600 IU(402mg)またはプラセボを投与したWomen’s Health Studyで、ビタミンEのサプリメントによる、がんの発生リスク(危険)の低減は、がんの種類に関係なく、みられなかった [25]。
ビタミンE摂取あるいはビタミンEのサプリメント摂取が前立腺がん発生リスクに及ぼす影響が、一部の研究で検証された。29,000例以上の男性を対象とした前向き・コホート研究では、食事あるいはサプリメントからのビタミンE摂取と前立腺がんリスクに関連性を認めなかった [29]。しかし、喫煙者ならびに禁煙者においては、400 IU/日以上のビタミンE摂取(種類は不明)は、進行性前立腺がんリスク(危険)を統計学的優に71%と減少させることと関連していた。男性喫煙者29,133例を対象としたある臨床試験では、毎日111 IUの合成ビタミンEのサプリメント(酢酸dl-α-トコフェロール50mg)を5~8年間摂取する群に無作為に割付けられた対象者は、同サプリメントを摂取しなかった対象者群よりも、前立腺がんが32%低かった [30]。この研究の有望な結果の一部に基づき、2001年にSELECT試験と呼ばれる大規模なランダム化比較試験が開始され、50歳以上の健康な男性35,533例を対象に、毎日400 IUの合成ビタミンE(180 mg、dl-α-トコフェリル酢酸として)とセレニウム(200 mcg、L-セレノメチオニンとして)の補充あり、またはなしで、7~12年間の新たな前立腺がんの数を減らすことができるかが検証された。本試験は、解析の結果、約5.5年にわたる合成ビタミンEの補充は、セレニウム併用の有無にかかわらず、前立腺がん予防効果を示さないということが判明し、2008年10月に中止されたr [31]。この臨床試験をさらに1.5年間追跡した結果(その間、対象者はビタミンEやセレニウムの摂取なし)、ビタミンEを摂取した対象者群の前立腺がんリスク(危険)は、プラセボ群より17%高く、統計的有意差が認められることが示された [32]。ビタミンEとセレニウムを併用摂取した群およびセレニウムのみを摂取した群の対象者の前立腺がん発生リスク(危険)にわずかな上昇が認められたが、統計的に有意差はみられなかった。肺がん、結腸直腸がん、あるいはその他すべてのがんの発生率に関して、群間差は認められなかった。研究者らは、対象者の健康状態を最長5年間継続観察する予定である。米国国立がん研究所(National Cancer Institute:NCI)のウェブサイトに、このSELECT試験に関する追加情報[英語サイト]が提供されている。
アイオワ州の女性を対象とした1件研究から、食事あるいはサプリメントからのビタミンEを高用量摂取することにより、特に65歳未満の女性において、結腸がんリスク(危険)が減少する可能性を示唆するエビデンスが得られている [33]。摂取量の最高五分位(>35.7IU/日、形態は特定せず)と最低五分位(<5.7IU/日、形態は特定せず)の比較における全体の相対リスクは0.32であった。しかし、看護師健康調査(Nurses' Health Study)における女性87,998例および医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study)における男性47,344例を対象にした前向き・コホート研究から、アイオワの研究の結果は再現されなかった [34]。また、一部の研究では、ビタミンEの高用量摂取と乳がん発生率の低下に関連性を認めた一方で、女性18,000例超を対象にビタミンEなど食事因子が閉経後の乳がん発生率に与える影響を検討した研究では、ビタミンEによるベネフィット(有益性)は認められなかった [35]。
1982~1998年に米国がん協会(American Cancer Society)が実施した疫学調査では、成人約100万例を対象に、ビタミンCおよびビタミンEのサプリメントの補充と、膀胱がん死亡率の関連性を検証した。1982~1998年に追跡を受けた約100万例のうち、ビタミンEのサプリメントを10年以上にわたって摂っていた成人における膀胱がんによる死亡リスク(危険)に低下が認められたが [36]、予防に対するビタミンC補充の有用性は見られなかった。
現時点において、がん予防に対するビタミンEの有用性を裏づける十分なエビデンスはない。それどころか、毎日ビタミンEを高用量摂取(合成ビタミンE 400 IU[180mg])することで前立腺がんのリスク(危険)が増大するかもしれない。
目の疾患
加齢黄斑変性症(age-related macular degeneration:AMD)と白内障は高齢者の著しい視力低下の二大要因である。いずれも病因がわからない場合がほとんどだが、酸化的ストレスの累積的影響が関与していると推測されている。この推測が正しいとすれば、ビタミンEなどの抗酸化剤機能をもつ栄養素が、こうした疾患の予防あるいは治療として有用である可能性がある。
複数の前向き・コホート研究で、食事から比較的高用量のビタミンE(例えば20g/日[30 IU])を摂取している人は、低用量(10mg/日[15 IU未満])の人よりもAMDの発症率が約20%低いという結果が得られている [37,38]。しかし、ビタミンEまたはプラセボを投与した2件のランダム化比較試験(1件は、対象者はd-α-トコフェロール500 IU/日[335mg]を摂取 [39] 、他の1件は、βーカロテン20mg/日と併せて酢酸dl-α-トコフェロール111 IU/日[50mg]を摂取 [40]) では、AMD予防に対するビタミンEの有用性は示されなかった別の大規模ランダム化比較試験 Age-Related Eye Disease Study (AREDS)からは、進行したAMDを発症するリスク(危険)が高い対象者(例えば、中程度のAMD患者、片眼に進行したAMDがある患者)における進行性AMD発症リスク(危険)が、5年にわたるビタミンE(酢酸dl-α-トコフェロール400 IU/日[180mg])、βーカロテン(15mg)、ビタミンC(500mg)(eJIMサイト内:一般向け・医療関係者向け)、亜鉛(80mg)(eJIMサイト内:一般向け・医療関係者向け)、および銅(2mg)含有サプリメントの連日摂取によって、プラセボ摂取例より25%低くなった [41]。 AREDS2研究の追跡調査では、この有用性が確認されるとともに、同様の処方のサプリメントによって、追跡期間の中央値5年間にわたりAMDの進行が抑制された[42]。
複数の観察研究で、ビタミンEのサプリメントと白内障形成リスク(危険)に潜在的な関連性があることが明らかにされている。ある前向き・コホート研究では、ビタミンEのサプリメントを摂っている対象者およびビタミンEの血中レベルが高い対象者のほうが眼球水晶体の透明度が高いという結果が得られている [43]。また、別の研究では、ビタミンEのサプリメントの長期使用により、加齢に伴う眼球水晶体の混濁の進行の遅さと関連していた [44]。しかし、AREDS試験では、平均6.3年にわたるビタミンE含有製剤(酢酸dl-α-トコフェリルとして)は、白内障の発生あるいは進行のいずれにも明白な有用性をもたらさなかった [45]。この結果は、同じく400 IU(180mg)のビタミンE含有製剤も検証したAREDS2研究で確認された [46]。
全体として、ビタミンEのサプリメントを単独で、あるいは他の抗酸化物質と組み合わせて摂取することで、AMDや白内障の発症リスク(危険)を低減できる可能性については、利用可能なエビデンスは一貫していない。しかし、AREDS研究で使用されたビタミンE、その他抗酸化物質、亜鉛、銅の配合には、進行性AMDのリスク(危険)が高い人のAMDの進行を遅らせることが期待される。
認知機能低下
脳の酸素消費速度は速く、また、その神経細胞膜内には多価不飽和脂肪酸が大量に存在する。研究者らは、神経細胞へのフリーラジカルによるダメージが長期にわたって蓄積され、認知機能の低下やアルツハイマー病などの神経変性疾患の原因となる場合、ビタミンEなどの抗酸化物質を十分に摂取することで、何らかの保護効果が得られるのではないかと考えている。[47]。この仮説を裏づける結果が、中等度のアルツハイマー病患者341例を対象とした臨床試験で得られている。この試験では、対象者をプラセボ群、ビタミンE(2,000 IU/日、dl-α‐トコフェロール)群、モノアミン酸化酵素阻害薬(セレギリン)群、ビタミンE+セレギリン群に無作為に割付けた [47]。2年間で、ビタミンEとセレギリンのそれぞれ単独あるいは併用投与は、いずれも機能低下と施設入所の必要性をプラセボに比べて有意に遅延させた。しかし、ビタミンE摂取対象者の転倒件数は有意に増加した。
自由な生活を営んでいる65~102歳の高齢者を対象とした前向き・コホート研究では、3年間にわたり食品あるいはサプリメントからのビタミンE摂取と、認知低下の低減に関連性がみられた [48]。一方、おおむね健康な高齢女性を最長4年にわたり、1日おきに600 IU(402 mg) のd-α‐トコフェロールを摂取する群とプラセボ群に無作為に割付けた臨床試験では、ビタミンEのサプリメントは明白な認知上のベネフィット(有益性)を示さなかった [49]。軽度の認知障害がある769例の男女を無作為にビタミンE(種類について記載なし)2,000 IU/日群、コリンエステラーゼ阻害剤(ドネパジル)群、もしくはプラセボ群に割付けた臨床試験でも、アルツハイマー病の進行速度において、ビタミンE群とプラセボ群間に有意な差は認められなかった [50]
要約すると、ほとんどの研究結果は、健康な人や軽度の障害を持つ人が、認知能力を維持したり、通常の老化に伴う低下を遅らせたりするためにビタミンEのサプリメントを使用することを支持しない。 [51]。認知低下治療におけるビタミンEの役割(あるとすれば)を特定するためには更なる研究が必要である [52]。
ビタミンE過剰摂取による健康上のリスク
食品を介したビタミンEの摂取による悪影響は、これまでの研究では見つかっていない [6]。しかし、動物の場合、高用量のα‐トコフェロールサプリメントの摂取により体内に出血が生じ、血液凝固が妨げられることがあり、また、in vitroデータから、高用量摂取が血小板凝集能を阻害することが示唆されている。また、2件の臨床試験で、α‐トコフェロールを摂取した対象者に、出血性脳卒中リスク(危険)の増加がみられた(このうち臨床試験1件ではフィンランド人男性喫煙者が50 mg/日を平均6年間摂取し [53] 、もう1件では米国の多数の男性医師が合成ビタミンE400 IU(180mg)を8年間隔日摂取した [26]。後者の研究に対象者として参加した医師の大多数がアスピリンも摂取しており、それゆえ、出血性脳卒中リスク(危険)の増加という結果は、ビタミンEに出血を起こさせる傾向があることを暗示している可能性がある。
FNBは、ビタミンEには易出血性作用があるとの想定のもとに、その許容上限摂取量(UL)を設定した(表3)。これらのUL値は、合成ビタミンEに存在する8つの立体異性体などサプリメントに含まれるα‐トコフェロールのすべての種類を対象としている。成人の場合、1,000 mg/日(天然型の場合1,500 IU/日、合成型の場合は1,100 IU/日)までの用量は安全とされているが、そのエビデンスとなっているデータは限られたもので、α-トコフェロールを3,200mg/日まで、数週間か数カ月間のみ摂取した少人数グループに基づくものである。ULを超える長期的な摂取は、健康への悪影響のリスク(危険)を増加させる[6]。乳幼児用のULは設定されていない。
年齢 | 男性 | 女性 | 妊娠 | 乳婦 |
---|---|---|---|---|
1~3歳 | 200mg | 200mg | ||
4~8歳 | 300mg | 300mg | ||
9~13歳 | 600mg | 600mg | ||
14~18歳 | 800mg | 800mg | 800mg | 800mg |
19歳以上 | 1,000mg | 1,000mg | 1,000mg | 1,000mg |
また、ランダム化比較試験のメタアナリシス2件から、ULよりは低い、大量のビタミンE摂取の安全性に対する疑問が提起されている。これらのメタアナリシスでは、ビタミンEの補充と、全死因死亡率の小規模な、ただし統計的に有意な上昇に、関連性が見られた。ある解析では、400IU/日の投与で死亡リスクの増加が見られたが(形態は特定せず)、150IUでリスク(危険)は増加し始めた[54].疾患予防のための抗酸化物質サプリメントに関する研究のほかの解析では、最も質の高い臨床試験から、ビタミンEの単独摂取(10~5,000 IU/日、平均569 IU[形態は特定せず])、あるいは最大4種類の他の抗酸化物質との併用摂取いずれにおいても有意に死亡リスク(危険)を増加させることが判明した [55]。
ビタミンEの高用量サプリメントの潜在的な有害作用に関するこれらの解析の意味するところは不明である [56-59]。これらの解析に含まれる研究の参加者らは、一般的に中高年で、慢性疾患や関連する危険因子を有していた。参加者らは、しばしばビタミンEと併せて他のサプリメントも摂取していた。一部の研究解析は、栄養欠乏症が一般的である発展途上国で実施されたものである。慢性疾患の第一次予防としてビタミンEのサプリメントを健康な人に与えた研究のサブセットのレビューでは、ビタミンEが死亡率を上昇させるという確固たるエビデンスは得られなかった [60]。
しかし、最近報告された大規模SELECT試験の結果では、ビタミンEのサプリメントの摂取(酢酸dl-α-トコフェロールとして400 IU/日[180mg])が、前立腺がんリスク(危険)の増加によって、一般母集団における成人男性に悪影響を及ぼすかもしれない[32]。現在、追跡研究で、前立腺がんリスク(危険)が、サプリメント使用前のビタミンEおよびセレニウムの各ベースライン血中濃度と関連するか、1個以上の遺伝子における変異によって、ビタミンE摂取中の前立腺がん発症リスク(危険)が高まるのかについての評価が行われている。
医薬品との相互作用
ビタミンEサプリメントは、一部の種類の医薬品と相互作用する可能性がある。以下に例を記載する。定期的にこれらの医薬品を服用している人は、ビタミンE摂取について今かかっている医療機関※に相談する必要がある。
抗凝血剤および抗血小板薬
ビタミンEは血小板凝集を阻害し、ビタミンK依存的凝固因子と拮抗する可能性がある。その結果、高用量のビタミンEをワーファリン(Coumadin)など抗凝血剤や抗血小板薬と併用すると出血リスクが高まる可能性がある。抗凝血剤や抗血小板薬に低用量のビタミンKを併せている場合は、そのリスク(危険)上昇の可能性はさらに高まる。臨床上重要な影響が現れるビタミンE補充量は明らかではないが、恐らく400 IU/日超というところだろう [61]。
シンバスタチンおよびナイアシン
一部の人々は、ビタミンEのサプリメントを、ビタミンC、セレニウム(eJIMサイト内:一般向け・医療関係者向け)、あるいはβーカロテンといった他の抗酸化剤と併せて摂取している。この抗酸化剤成分が集まることにより、シンバスタチン(商標名Zocor)とナイアシンの併用治療を受けている人において、高密度リポタンパク(high-density lipoprotein、HDL)コレステロール濃度、とりわけ最も心臓保護効果の高いHDL構成要素であるHDL2濃度の上昇が鈍化した[62,63]。
化学療法および放射線療法
腫瘍内科医は、がん化学療法あるいは放射線療法中は抗酸化剤サプリメントを使用しないよう忠告している。これは、これらの治療法が、がん細胞に対して酸化的損傷を与えることで得られる効果を、抗酸化剤が阻害してしまうかもしれないからである [64,65]。複数のランダム化比較試験のシステマティックレビューでは、この懸念が疑問視されているが [66]、がんの従来療法と同時に抗酸化物質を補給することの潜在的なリスク(危険)とベネフィット(有益性)を評価するためには、さらなる研究が必要である。
ビタミンEと健康的な食事
連邦政府の「2020-2025年版 米国の食事指針」では、「食品は健康に役立つさまざまな栄養素やその他の成分を提供するため、栄養ニーズは主に食品を通して満たすべきである。…場合によって、強化食品やダイエタリーサプリメントは、他の方法では1つまたは複数の栄養素の必要量を満たすことができない場合(例えば、妊娠などの特定のライフステージ)に有用である。」と記されている。健康的な食生活の構築についての詳細は、「米国の食事指針(Dietary Guidelines for Americans)」[英語サイト]と米国農務省の「私の食事(MyPlate)」[英語サイト]をご覧ください。
「米国の食事指針 」では、健康的な食生活を以下のように説明している。
- さまざまな野菜、果物、穀物(少なくとも半分が全粒粉)、無脂肪および低脂肪の牛乳、ヨーグルト、チーズ、油脂を含む。
- ビタミンEは葉物野菜、全粒穀物、強化シリアルに含まれている。
- 赤肉、鶏肉、卵、海産物、インゲン豆・エンドウ豆・レンズ豆、ナッツ・種子、大豆製品など、さまざまなタンパク質食品を含む。
- ナッツ類はビタミンEの優れた供給源である。
- 糖分、飽和脂肪、ナトリウムを多く含む食品や飲料を制限する。
- アルコール飲料を制限する。
- 1日に必要なカロリーの範囲内に収まっている。
(※補足:原文では、healthcare provider。米国では主に医療サービス等のヘルスケアを提供している病院/医師を指す。また、健康保険会社や医療プログラムを提供する施設等も含む。)
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更新日:2025年6月19日
監訳:大野智、的場千佳(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。