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ビタミンD
Vitamin D

- 写真に掲載している食材の成分表一覧
[補足]
本文中の必要摂取量、推奨摂取量、上限値・下限値等は米国人を対象としたデータです。日本人に関するデータについては「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」などをご参照ください。
日本人の食事摂取基準(厚生労働省)
本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。
英語版最終アクセス確認日:2024年12月
これは医療関係者向けです。一般的な概要については、一般向けファクトシートをご覧ください。
ビタミンDとCOVID-19については「Dietary Supplements in the Time of COVID-19(COVID-19 に対するダイエタリーサプリメント)」[英語サイト]をご覧ください。
はじめに
ビタミンD(別名、カルシフェロール)は、脂溶性のビタミンで、意義部の食品には自然に含まれていたり、人工的に添加されたりするほか、ダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)(eJIMサイト内:一般向け・医療関係者向け)としても利用されている。また、太陽光に含まれる紫外線が皮膚に当たることで内因的に生成され、ビタミンD合成を誘導する。
日光浴、食品、サプリメントから得られるビタミンDは生物学的には不活性であり、活性化のためには体内で2回の水酸化を受けなければならない。1回目の水酸化は肝臓で行われ、ビタミンDは25-ヒドロキシビタミンD [25(OH)D]に変換され、別名"カルシジオール"とも呼ばれる。2回目の水酸化は主に腎臓で行われ、生理学的に活性な1,25-ジヒドロキシビタミンD[1,25(OH)2D]、別名「カルシトリオール」が形成される[1]。
ビタミンDは、腸内でのカルシウム(eJIMサイト内:一般向け・医療関係者向け)吸収を促進し、適切な血清カルシウムとリン酸塩濃度を維持することで、正常な骨のミネラル化を可能にし、低カルシウム性テタニー(筋肉の不随意の収縮、こむら返りや痙攣を引き起こす)を予防する。また、骨芽細胞と破骨細胞による骨の成長や骨のリモデリングにも必要である[1-3]。ビタミンDが不足すると、骨が薄くなったり、もろくなったり、形が崩れたりすることがある。ビタミンDを充足させることで、小児のくる病や成人の骨軟化症を予防することができる。また、カルシウムとともに、高齢者の骨粗鬆症予防に役立つ。
ビタミンDは炎症を抑えるほか、細胞増殖、神経筋機能、免疫機能、グルコース代謝などのプロセスを調節するなど、体内でのさまざまな役割を持っている[1-3]。細胞の増殖、分化、アポトーシスを制御するタンパク質をコードする多くの遺伝子は、ビタミンDによって部分的に制御されている。多くの組織にはビタミンD受容体があり、25(OH)Dを1,25(OH)2Dに変換するものもある。
食品やダイエタリーサプリメントに含まれるビタミンDには、主にD2(エルゴカルシフェロール)およびD3(コレカルシフェロール)の2形態があり、化学的には側鎖構造のみが異なっている。どちらの形態も小腸でよく吸収される。吸収は単純な受動拡散と、腸管膜のキャリアタンパク質が関与するメカニズムによって行われる[4]。腸内に脂肪が同時に存在するとビタミンDの吸収が促進されるが、一部のビタミンDは食事で脂肪を摂らなくても吸収される。加齢も肥満も、腸からのビタミンD吸収を変化させない[4]。
血清中の25(OH)D濃度は、現在、ビタミンDの状態を示す主な指標となっている。25(OH)D濃度は、内因的に産生されるビタミンDおよび食品やサプリメントから摂取されるビタミンDを反映している[1]。血清中の25(OH)Dは、循環半減期が15日とかなり長くなっている[1]。25(OH)Dの血清濃度は、1リットル当たりのナノモル(nmol/L)と1ミリリットル当たりのナノグラム(ng/mL)の両方が併記される。1nmol/Lは0.4ng/mLに相当し、1ng/mLは2.5nmol/Lに相当する。
血清中の25(OH)D濃度を測定することでビタミンDの状態を評価することは、解析を行う実験室によって使用されているアッセイ(最も一般的なものは抗体またはクロマトグラフィーによるものの2つ)が大きく異なるため、複雑な問題となっている[5,6]。その結果、使用するアッセイや実験室によっては、所見が誤って低くなったり、高くなったりすることがある。国際ビタミンD標準化プログラムは、臨床と公衆衛生の実践を改善するために、25(OH)Dの実験室測定を標準化するための手順を開発した [5,7-10]。
25(OH)Dとは対照的に、血中の1,25(OH)2Dは半減期が数時間と短く、また、その血清値は副甲状腺ホルモン、カルシウム、リン酸による厳重に制御されているため、一般的に体内ビタミンDの状態を示す優れた指標にはならない[1]。一般的に1,25(OH)2Dは、ビタミンDの欠乏が重度になるまで減少しない[2]。
血清25(OH)D濃度と健康
25(OH)Dは曝露のバイオマーカーとして機能するが、25(OH)Dレベルが身体への影響のバイオマーカー(すなわち、健康状態や結果に関連する)としてどの程度機能するのかは明らかになっていない [1,3]。
研究者は、ビタミンD欠乏症(くる病など)、骨の健康に対する適切性、健康全般に関連する25(OH)Dの血清濃度を明確に特定してはいない。ビタミンDの必要性に関するデータを検討した結果、全米科学・工学・医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine:NASEM)の食品栄養委員会(Food and Nutrition Board:FNB)の専門家委員会は、血清25(OH)D濃度が30nmol/L(12ng/mL)未満ではビタミンD欠乏症のリスク(危険)があると結論づけた(「欠乏」と「不足」の定義は表1参照)[1]。人によっては、30~50nmol/L(12~20ng/mL)でビタミンD欠乏による潜在的なリスク(危険)がある。50 nmol/L (20 ng/mL) 以上あれば、ほとんどの人は十分な量を摂取できる。一方、内分泌学会は、カルシウムのビタミンD、骨、筋肉代謝に対する効果を最大限に発揮させるためには、臨床上、血清25(OH)D濃度が75nmol/L(30ng/mL)以上が必要であるとしている。[11,12]。また、FNB委員会は、125nmol/L(50ng/mL)を超える血清濃度は有害作用の可能性を指摘した[1](表1)。
nmol/L** | ng/mL* | 健康状態 |
---|---|---|
30未満 | 12未満 | ビタミンDが欠乏しており、小児ではくる病、成人では骨軟化症を引き起こす可能性がある。 |
30~50 | 12~20 | 健康な人の骨と全身の健康には一般的に不十分と考えられている。 |
50以上 | 20以上 | 健康な人の骨と全身の健康には一般的に十分であると考えられている。 |
125超 | 50超 | 特に150 nmol/L (>60 ng/mL)以上で潜在的に有害作用の可能性がある。 |
*25(OH)Dの血清濃度は、1リットル当たりのナノモル(nmol/L)と1ミリリットル当たりのナノグラム(ng/mL)の両方が併記される。1 nmol/L = 0.4 ng/mL, 1 ng/mL = 2.5 nmol/L。
骨と全身の健康に最適な25(OH)Dの血清濃度は、ライフステージ、人種や民族によって、また使用する生理学的指標によって異なると考えられるため、確立されていない[ 1,13,14]。また、ビタミンD摂取量の増加に応じて25(OH)D値は上昇するが、その関係は非線形である[1]。血清濃度の上昇量は、ベースラインの血清濃度や補給期間によって異なる。
推奨摂取量
ビタミンDおよびその他の栄養素の摂取推奨量は、NASEMの専門委員会によって作成された食事基準摂取量(Dietary Reference Intakes:DRIs)に記載されている[1]。DRIは、健康な人の栄養摂取の計画と評価に関する一連の基準値に対する総称である。これらの基準値は年齢や性別によって異なり、次のような項目がある。
- 推奨所要量(推奨量、Recommended Dietary Allowance、RDA):ほぼすべて(97%~98%)の健康な人の栄養所要量を満たすのに十分な1日あたりの平均摂取量であり、個人の栄養的に適切な食事を計画する際によく用いられる。
- 適正摂取量(目安量、Adequate Intake:AI):このレベルの摂取は、栄養の適切性を確保するために想定されており、RDAを策定するためのエビデンス(科学的根拠)が不十分な場合に設定される。
- 推定平均必要量(Estimated Average Requirement:EAR):健康な人の50%の必要量を満たすと推定される1日の平均摂取量。通常、集団の栄養摂取量を評価し、栄養的に適切な食事を計画するために使用される。また、個人の栄養摂取量の評価にも使用可能である。
- 許容上限摂取量(上限量、Tolerable Upper Intake Level:UL):健康への悪影響はないと思われる1日の最大摂取量
FNB委員会は、健康な人の骨の健康と正常なカルシウム代謝を維持するのに十分な毎日の摂取量を示すために、ビタミンDのRDAを設定した。ビタミンDのRDAは、マイクログラム(μg)と国際単位(international units:IU)の両方で表示され、ビタミンD 1 μgは40 IUに相当する(表2)。日光がビタミンDの主な供給源であるにもかかわらず、FNBは人々が最小限の日光しか浴びていないという前提で、ビタミンDのRDAを設定している[1]。乳幼児については、FNB委員会は、血清25(OH)D値を20ng/mL(50nmol/L)以上に維持し、骨の発達をサポートするビタミンD量に基づいたAIを策定した。
年齢 | 男性 | 女性 | 妊娠 | 乳婦 |
---|---|---|---|---|
生後0~12カ月* | 10 µg (400 IU) | 10 µg (400 IU) | ||
1~13歳 | 15 µg (600 IU) | 15 µg (600 IU) | ||
14~18歳 | 15 µg (600 IU) | 15 µg (600 IU) | 15 µg (600 IU) | 15 µg (600 IU) |
19~50歳 | 15 µg (600 IU) | 15 µg (600 IU) | 15 µg (600 IU) | 15 µg (600 IU) |
51~70歳 | 15 µg (600 IU) | 15 µg (600 IU) | ||
70歳以上 | 20 µg (800 IU) | 20 µg (800 IU) |
*適正摂取量(AI)
世界の多くの国や一部の専門学会では、ビタミンDの摂取量のガイドラインが多少異なっている[15]。これらの違いは、ビタミンDの生物学的および臨床的意味合いに対する理解が不完全であること、ガイドラインの目的が異なること(例えば、健康な人の公衆衛生のためか臨床的実践のためか)、そして、いくつかのガイドラインでは、推奨事項を確立するためにランダム化臨床試験に加えて観察研究が用いられていることに起因している[9,15]。内分泌学会は、75 nmol/L(30 ng/mL)以上の血清25(OH)D値を維持するために、例えば、成人は少なくとも37.5〜50 μg(1,500〜2,000 IU)/日のビタミンDの補給を必要とする可能性があり、小児や青年は少なくとも25 μg(1,000 IU)/日を必要とする可能性があることを述べている[11]。対照的に、英国政府は、4 歳以上の国民に対して、10 μg (400 IU)/日の摂取を推奨している [16]。
ビタミンDの供給源
食品
ビタミンDを天然に含有する食物は少ない。脂肪性の魚(サケ、マグロ、サバなど)の身や魚肝油は最良の供給源である[17,1]。動物の食事は、組織内のビタミンDの量に影響する。牛レバー、卵黄、チーズには、主にビタミンD3とその代謝物である25(OH)D3の形態で、少量のビタミンDが含まれている。きのこ類は可変量のビタミンD2を供給する[17]。市販されているキノコの中には、ビタミンD2の含有量を増やすために紫外線処理を施したものがある。また、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)は、紫外線処理したキノコの粉末を食品添加物として認可し、食品中のビタミンD2の供給源として使用してる[18]。非常に限定的なエビデンスでは、さまざまな食品からのビタミンDのバイオアベイラビリティー(生物学的利用能)に実質的な違いはないことが示唆されている[19]。
動物性食品は、ビタミンD3に加え、25(OH)Dという形態でビタミンDを摂取できるのが一般的である。この形態がビタミンDの状態に与える影響については、新たな研究分野として注目されている。研究では、「25(OH)Dは、前駆ビタミンの約5倍の血清25(OH)D濃度を上昇させる効果があることが示されている[17,20,21]。ある研究では、牛肉、豚肉、鶏肉、七面鳥、卵の25(OH)D含有量を考慮すると、食品によっては、前駆ビタミン単体に含まれる量の2~18倍ものビタミンDが含まれていることがわかった[20]。
米国人の食生活において、ビタミンDの最大供給源は強化食品である[1,22]。例えば、米国の牛乳供給のほとんどすべては、通常ビタミンD3の形態で、約3μg/cup(120IU)を自主的に強化している[23]。カナダでは、牛乳は0.88~1.0μg/100mL(35~40IU)、マーガリンは13.25μg/100g(530IU)以上の強化が義務付けられている。チーズやアイスクリームなど、牛乳を原料としたその他の乳製品は、米国やカナダでは通常、強化されていない。植物性乳製品(大豆、アーモンド、オート麦などを原料とした飲料など)には、牛乳と同量のビタミンDが含まれている(1カップあたり約3μg [120IU])が、栄養成分表示には実際の量が記載されている[24]。朝食用のシリアルにはビタミンDが添加されていることが多く、オレンジジュース、ヨーグルト、マーガリンなどの食品にも含まれている。
米国では乳児用調製粉乳に1~2.5 μg/100 kcal(40~100 IU)のビタミンDを強化することが義務付けられており、カナダでは1~2 μg/100 kcal(40~80 IU)が必要量となっている[1]。
さまざまな食品とその1食あたりのビタミンD含有量を表3に示す。
食品(1オンスは約28g、1カップは240ml) | 1食あたりのマイクログラム(µg) | 1食あたりの国際単位(International Units:IU) | %DV* |
---|---|---|---|
タラ肝油、大さじ1 | 34.0 | 1,360 | 170 |
ニジマス、養殖、加熱調理、3オンス(約85g) | 16.2 | 645 | 81 |
鮭、紅サケ、加熱調理、3オンス(約85g) | 14.2 | 570 | 71 |
マッシュルーム、白、生、薄切り、UV処理、1/2カップ(120ml) | 9.2 | 366 | 46 |
牛乳、乳脂肪2%、ビタミンD強化、1カップ(240ml) | 2.9 | 120 | 15 |
大豆、アーモンド、オート麦ミルク、ビタミンD強化、各種ブランド、1カップ(240ml) | 2.5-3.6 | 100-144 | 13-18 |
インスタントシリアル、ビタミンDの10%のDVで強化、1食分 | 2.0 | 80 | 10 |
イワシ(大西洋産)、オイル漬缶詰、オイル抜後、2尾 | 1.2 | 46 | 6 |
卵、Lサイズ1個、スクランブルエッグ** | 1.1 | 44 | 6 |
レバー、牛肉、蒸し煮、3オンス(約85g) | 1.0 | 42 | 5 |
ツナ(マグロ)、低カロリー、水煮缶詰、水切り、3オンス(約85g) | 1.0 | 40 | 5 |
チーズ、チェダーチーズ、1.5 オンス(約42g) | 0.4 | 17 | 2 |
マッシュルーム、ポルタベッラ、生、さいの目切り、1/2カップ(120ml) | 0.1 | 4 | 1 |
鶏むね肉、ロースト、3オンス(約85g) | 0.1 | 4 | 1 |
牛肉、ひき肉、90%赤身、焼いたもの、3オンス(約85g) | 0 | 1.7 | 0 |
ブロッコリー、生、刻み、1/2カップ(120ml) | 0 | 0 | 0 |
ニンジン、生、刻み、1/2カップ(120ml) | 0 | 0 | 0 |
アーモンド、ドライロースト(乾煎り)、1オンス(約28g) | 0 | 0 | 0 |
リンゴ、大 | 0 | 0 | 0 |
バナナ、大 | 0 | 0 | 0 |
玄米、長粒米、加熱調理、1カップ(240ml) | 0 | 0 | 0 |
全粒小麦粉のパン、1切れ | 0 | 0 | 0 |
レンズ豆、茹でたもの、1./2カップ(120ml) | 0 | 0 | 0 |
ヒマワリの種、ロースト、1/2カップ(120ml) | 0 | 0 | 0 |
枝豆、さや入り、加熱調理、1/2カップ(120ml) | 0 | 0 | 0 |
*DV=1日摂取量(Daily Value):米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)は、消費者が総合的な食生活の中で、食品やダイエタリーサプリメントの栄養素の含有量を比較するためにDVを設定した。ビタミンDのDVは、成人と4歳以上の小児で20 μg(800 IU)である[26]。ラベル表示には、ビタミンDの含有量を1食あたりのμgで表示する必要があり、また、( )内にIUの量を表示するという選択肢がある。DVの20%以上を含む食品は、その栄養素を多く含む供給源と考えられるが、DVの低い割合の食品も健康的な食生活に寄与している。
** ビタミンDは卵黄に含まれている。
米国農務省(The U.S. Department of Agriculture:USDA)の「FoodData Central」では、さまざまな食品の栄養成分が掲載されており、ビタミンAを含む食品の詳細なリストが、栄養成分別および食品名別に整理されている。しかしながら、FoodData Centralは、食品中の25(OH)Dの量は含んでいない。
日光曝露
世界中のほとんどの人がビタミンDの所要量のうち少なくとも一部を日光曝露によって得ている[1]。波長290~320ナノメートルのUV B波(UVB)が皮膚に直接当たると、皮膚の7‐デヒドロコレステロール(7-dehydrocholesterol)がプレビタミンD3に変換され、このプレビタミンD 3はビタミンD3になる。季節、時間帯、日照時間、雲量、煙霧(スモッグ)、皮膚のメラニン量、日焼け止め剤等が、紫外線への曝露量とビタミンD合成に影響を与える要因となる。高齢者や肌の色が濃い人は日光からビタミンDを生成しにくくなる [1]。紫外線B波はガラスを通過しないため、屋内で窓越しに日光に当たってもビタミンDは生成されない[27]。
紫外線照射に影響を与える要因、個人の反応性、十分なビタミンDレベルを維持するために必要な日光照射量に関する不確実性などから、十分なビタミンD合成に必要な日光照射量の目安を示すことは困難である [15,28]。例えば、専門機関やビタミンDの研究者の中には、例として、日焼け止めを塗らずに、特に午前10時から午後4時の間に、毎日または少なくとも週に2回、顔、腕、手、脚に約5~30分日光を浴びると、通常十分なビタミンDの合成が行われると示唆している[13,15,28]。UVB放射量が2%から6%の市販の日焼けマシンの適度な使用も効果的である[13, 29]。
しかし、ビタミンDの合成に太陽が重要であるにもかかわらず、日光や日焼けマシンによる紫外線に肌がさらされるのを制限することは賢明なことである[28]。紫外線は発がん性物質であり、紫外線曝露は皮膚がんの最も予防可能な原因である。連邦政府機関や国の機関は、皮膚がんのリスク(危険)を減らすために、日光に当たるときは常にSPF15以上の日焼け止めを使用するなど、予防措置を行うよう助言している[28,30]。SPF8以上の日焼け止めは、ビタミンDを生成する紫外線をブロックすると考えられている。しかし、実際には、十分な量の日焼け止めを塗っていない、日光にさらされた皮膚をすべて覆っていない、定期的に日焼け止めを塗り直していない、などの問題がある。そういった人々の肌は、通常の日焼け止めを塗っても、おそらくビタミンDを合成していると考えられる。[1,28]。
ダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)
ダイエタリーサプリメントには、ビタミンD2またはD3が含まれることがある。ビタミンD2は酵母中のエルゴステロールにUV照射して製造され、ビタミンD3は一般的に、羊の毛から得られるラノリン中の7-デヒドロコレステロールにUV照射して製造される [13,31]。リケン(地衣類)由来のビタミンD3の動物性成分を含まないバージョンも入手可能である [32]。すべての動物性食品を避けている人は、ダイエタリーサプリメントの製造業者に問い合わせて、その原料調達や加工技術について尋ねることができる。
ビタミンD2、D3のどちらの形態も血清25(OH)D濃度を上昇させ、くる病を治す能力は同等と思考えられる[4]。また、ビタミンD2とD3の代謝と作用のほとんどの段階が同じである。しかし、ほとんどのエビデンスでは、ビタミンD3は血清中の25(OH)D値をより大きく増加させ、ビタミンD2よりも長く高値を維持することが示されているが、どちらの形態も腸内で十分に吸収される。[33-36]。
一部の研究では、ビタミンDの25(OH)D3の形態を含むサプリメントを使用しており、当量μg当たり、25(OH)D3はビタミンD3の3〜5倍の効力がある [37,38]。しかし、現時点では、米国市場で消費者が購入できる25(OH)D3ダイエタリーサプリメントはないようである[32]。

ビタミンDの摂取状況
米国ではほとんどの人がビタミンDの摂取量が推奨量よりも少なく、2015~2016年国民健康・栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES)のデータを解析した結果、食品や飲料からのビタミンDの1日平均摂取量は、男性で5.1μg(204 IU)、女性で4.2μg(168 IU)、2-19歳の小児で4.9μg(196 Iu)であることがわかった [39]。実際、2013~2016年のNHANESのデータによると、男性の92%、女性の97%以上、1歳以上の94%の人が食品や飲料からのビタミンDが10μg(400IU)のEAR未満で摂取していることがわかった [40]。
また、2015~2016年のデータを解析した結果、米国では2歳以上の全個人の28%がビタミンDを含むダイエタリーサプリメントを摂取していることがわかった[39]。また、サプリメントの摂取率は2〜5歳で26%、6〜11歳で14%、12〜19歳では10%、60歳以上では男性49%、女性59%と年齢とともに増加した。ビタミンDの総摂取量は、サプリメントを使用した場合、食事のみの場合よりも3倍多く、2歳以上の個人の食品と飲料のみからの平均摂取量は4.8μg(192IU)であったが、サプリメントを含むと19.9μg(796IU)に増加した。
一部の人は非常に多くのビタミンDのサプリメント摂取している。2013~2014年にかけて、米国の成人人口の推定3.2%が100μg(4,000IU)以上のビタミンDを含むサプリメントを摂取していた[41]。
食品、飲料、さらにはダイエタリーサプリメントからのビタミンD摂取量に基づいて、米国人口の大部分がビタミンD不足であると予想される。しかし、ビタミンDの摂取量と血清25(OH)D値を比較することには問題がある。その理由の一つは、日光への曝露がビタミンDの状態に影響するため、血清25(OH)D値は通常、ビタミンDの食事摂取量だけで予測されるよりも高くなることである[1]。もう一つの理由は、動物性食品にはいくらかの25(OH)Dが含まれていることである。この形態のビタミンDは摂取量調査には含まれておらず、ビタミンD2やD3よりも血清25(OH)D値を上昇させる作用がかなり強力である[42]。
血清25(OH)D値に関するNHANES 2011~2014年のデータを解析したところ、米国では1歳以上のほとんどの人がFNBの閾値に従って十分なビタミンDの量を摂取していることがわかった[43]。しかし、18%は不十分な値(30~49nmol/L [12~19.6 ng/mL])、5%は欠乏リスク(危険)(30nmol/L [12 ng/mL]未満)があった。4%は、125nmol/L(50ng/mL)より高い値を示した。欠乏リスク(危険)については、1〜5歳の小児で最も低く(0.5%)、20〜39歳の成人で7.6%とピークに達し、60歳以上では2.9%に減少した。このパターンは、不十分なリスク(危険)についても同様であった。欠乏の割合は、人種や民族によって異なっていた。ヒスパニック系以外の黒人の17.5%がビタミンDの欠乏リスク(危険)があり、ヒスパニック系以外のアジア人の7.6%、ヒスパニック系の5.9%、ヒスパニック系以外の白人の2.1%がビタミンD欠乏のリスク(危険)があった。ここでも、ビタミンDが不十分のリスク(危険)については同様のパターンとなった。米国におけるビタミンDの状況は、2003~2004年から2013~2014年の10年間は安定的に推移している。
ビタミンDの欠乏
ビタミンDの欠乏リスク(危険)を発症する可能性があるのは、通常の摂取量が推奨摂取量よりも少ない場合、日光への曝露が制限されている場合、腎臓が25(OH)Dを活性型に変換できない場合、消化管からのビタミンDの吸収が不十分な場合などである。ビタミンDが少ない食事は、牛乳アレルギーや乳糖不耐症の人、卵菜食主義者やビーガン(完全菜食主義:動物性食品を一切摂取しない)食を摂取している人に多く見られる[1]。
小児の場合、ビタミンDの欠乏はくる病として現れ、骨組織が適切にミネラル化されず、軟骨や骨格の変形が起こることを特徴とする病気である[44]。重度のくる病は、骨の変形や痛みのほか、発育不全、発達遅延、低カルシウム発作、テタニー痙攣(強縮性攣縮)、心筋症、歯の異常などを引き起こすことがある[45,46]。
ビタミンDの補給なしに長時間の完全母乳育児を続けると、乳児のくる病を引き起こす可能性があり、米国では、母乳育児をしている黒人の乳児および小児の間でくる病が最も多く見られる [47]。ミネソタ州のある郡では、2000年からの10年間で、3歳未満の小児のくる病の発生率は10万人あたり24.1人であった[48]。くる病は、母乳育児が長く、低体重で生まれ、体重が少なく、身長が低い黒人の小児に多く見られる。カナダ全土の小児科医2,325人が診察した乳幼児(7歳未満)のくる病の発症率は、2002~2004年に10万人 10万人あたり2.9人であり、くる病の患者のほぼ全員が母乳で育っていた[49]。
1930年代から始まった、牛乳(カルシウムの良い供給源)や朝食用シリアル、マーガリンなど主食へのビタミンDの添加と、タラ肝油の使用により、米国ではくる病が珍しくなった[28,50]。しかし、世界的にくる病の発生率は増加しており、欧米でも特にアフリカ、中東、アジア諸国からの移民の間で増加している[51]。この増加の原因として考えられるのは、ビタミンD代謝の遺伝的な違い、食生活の好み、日光への曝露が少ない行動などである[45,46]。
成人および青年では、ビタミンDが不足すると、既存の骨の再形成過程で不完全または欠陥のあるミネラル化が起こり、骨が弱くなる骨軟化症になることがある[46]。骨軟化症の徴候や症状はくる病と似ており、骨の変形や痛み、低カルシウム発作、テタニー痙攣、歯の異常などがある[45]。
ビタミンDの状態スクリーニングは、プライマリ・ケアの医師が日常的に行う臨床検査のルーチン血液検査の一部になりつつある[6,52-54]。このようなビタミンD欠乏のスクリーニングが健康状態の改善につながるかどうかを検討した研究はない[55]。米国予防医学専門委員会(U.S. Preventive Services Task Force:USPSTF)は、無症状の成人におけるビタミンD欠乏のスクリーニングの有益性(ベネフィット)と有害性を評価するための十分なエビデンスを得られなかった[6]。また、ビタミンD欠乏の集団検診を推奨している国の専門機関はないと付け加えている。
ビタミンD不足のリスク群
天然由来(未強化)の食事から十分なビタミンDを得ることは難しい。多くの人にとって、ビタミンD強化食品を摂取すること、また、日光を浴びることも、健康的な体内ビタミンD濃度を維持するために不可欠である。しかし、一部のグループによっては、ビタミンDの必要量を満たすためにダイエタリーサプリメントが必要な場合もある。以下のグループは、ビタミンDの状態が不十分である可能性が最も高いグループである。
母乳栄養児
母乳から得られるビタミンDは0.6~2.0 μg/L(25~78 IU/L)未満であるため、母乳だけでは、一般的にビタミンDの必要量を満たすことはできない。[1,56,57]母乳に含まれるビタミンDの量は、母親のビタミンDの状態に関連している。研究によると、少なくとも50 μg(2,000 IU)のビタミンD3を含むサプリメントを毎日摂取している母親の母乳は、この栄養素の量が多いことが示唆されている[57,58]。
UVBに曝露された乳児はビタミンDを生成することができるが、米国小児科学会(American Academy of Pediatrics:AAP)は、6カ月未満の乳児を直射日光にさらさないようにし、保護服や帽子を着用させ、やむを得ず日光に曝露する場合は、肌の露出部分の小さな部分に日焼け止めを塗るよう保護者に助言している [59]。AAPは、専ら母乳または部分的に母乳で育てられた乳児に対して、出生後まもなく開始し、離乳するまでの間、少なくとも1,000mL/日のビタミンD強化粉ミルクまたは全乳を摂取するために、1日10μg(400 IU)/日のビタミンD補給を推奨している[57]。AAPはまた、母乳で育てられていない、かつビタミンD強化ミルクや牛乳を1,000mL/日未満でしか摂取いないすべての乳児に対して、10μg(400IU)/日の補助的なビタミンDを推奨している。NHANES 2009-2016年のデータ分析によると、これらの推奨量のサプリメントを摂取していたのは、母乳で育てられた乳児のわずか20.5%と、母乳で育てられていない乳児の31.1%にすぎないことが判明した[60]。
高齢者
高齢者はビタミンD不足になるリスク(危険)が高くなるが、これは皮膚のビタミンD合成能力が年齢とともに低下するためである。 [1,61]。また、高齢者は若い人に比べて室内で過ごす時間が長く、食事からのビタミン摂取が不足している可能性がある[1]。
日光曝露時間が限られている人
自宅に閉じこもりがちな人々、宗教上の理由で長いローブやドレス、頭部を覆う衣服を着用する人々、そして日光曝露が制限される職業の人々は、日光から十分な量のビタミンDを得られない可能性が高いグループに含まれる[62]。また、日焼け止めの使用も日光からのビタミンD合成を制限する。しかし、日焼け止めの使用の程度と頻度が不明であるため、日焼け止めがビタミンDの合成を減少させる上でどのような役割を果たしているかは不明確である[1]。
肌色素が濃い人
皮膚の表皮層にあるメラニン色素の量が多いほど、肌が黒くなり、日光からビタミンDを生成する能力が低下する[1]。例えば、黒人米国人は、一般的に白人米国人よりも血清25(OH)D濃度が低い。しかし、肌色素が濃い人のこれらの低い値が健康に重大な影響を与えるかどうかは明らかではない[14]。例えば、アフリカ系米国人の祖先を持つ人は、白人よりも骨折や骨粗鬆症の割合が低い(骨の健康と骨粗鬆症の項を参照)。
脂肪の吸収を制限する疾患がある人
ビタミンDは脂溶性であるため、その吸収は腸の食事脂肪の吸収能力に依存する[4]。脂肪の吸収不良は、肝疾患、嚢胞性線維症、セリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎などのいくつかの形態を含む病状と関連している[1,63]。ビタミンD欠乏のリスク(危険)が高まることに加えて、これらの疾患を持つ人々は、乳製品(その多くはビタミンDで強化されている)などの特定の食品を食べなかったり、これらの食品を少量しか食べなかったりすることがある。そのため、食物性脂肪の吸収が難しい人は、ビタミンDの補給が必要となる可能性がある[63]。
肥満症または胃バイパス手術を受けた人
体格指数(BMI)が30以上の人は、肥満でない人に比べて血清25(OH)D値が低い。肥満は皮膚のビタミンD合成能力に影響を与えない。しかし、皮下脂肪の量が多いほどビタミンDが多く蓄えることができる[1]。肥満の人が標準体重の人と同じような25(OH)D値を達成するには、より多くのビタミンD摂取が必要となる可能性がある[1,64,65]。
また、胃バイパス手術を受けた肥満の人もビタミンD欠乏になる可能性がある。この手術では、ビタミンDが吸収される上部小腸の一部をバイパスするため、脂肪貯蔵から血液中に動員されたビタミンDは、時間の経過とともに25(OH)Dが適切な値にまで上昇しなくなる可能性がある[66,67]。米国メタボリック・肥満外科学会(American Association of Metabolic and Bariatric Surgery)、肥満学会(Obesity Society)、英国肥満・メタボリック外科学会(British Obesity and Metabolic Surgery Society)などさまざまな専門家グループが、肥満外科手術前後のビタミンDスクリーニング、モニタリング、補給に関するガイドラインを作成している[66,68]。

ビタミンDと健康
ビタミンDのDRIを確立したFNB委員会では、骨の健康に関する指標を除いて、ビタミンが潜在的な健康上のアウトカムの長いリスト(例えば、慢性疾患への抵抗性や機能的指標)に何らかの影響を及ぼすと結論づけるには、エビデンスが不十分であるか、あるいは相反する結果が多いことがわかった。同様に、2009~2013年にかけて報告された約250件の研究データのレビューにおいて、米国医療研究品質庁(Agency for Healthcare Research and Quality)は、ビタミンDと骨の健康以外の健康上の成果との間に確たる関係は認められないと結論付けている[69]。しかし、ビタミンDと数多くの健康アウトカムに関する研究が行われているため、ここではビタミンDが関与している可能性のある7つの疾患、状態、介入に焦点を当てている:骨の健康と骨粗鬆症、がん、心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)、うつ病、多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)、2型糖尿病、体重減少。
ここで紹介した研究のほとんどは、最適な方法と比較して標準化されていないさまざまな方法を用いて血清25(OH)D値を測定している。標準化されていない25(OH)D測定値を使用することは、結果の正確さと、そのような測定値を使用した研究、特に、標準化されていない異なる測定値を使用した多くの研究からのデータをプールしたメタアナリシスから得られた結論の妥当性について疑問を提起する可能性がある[5,9,70]。測定値の標準化に関する詳細は、「Vitamin D Standardization Program(ビタミンD標準化プログラム)」[英語サイト]のウェブページから入手できる。
骨の健康と骨粗鬆症
骨は常にリモデリング(骨再形成)されている。しかし、加齢とともに、特に女性では更年期になると、骨の破壊率が骨の形成率を上回る。時間の経過と共に骨密度が低下し、やがて骨粗鬆症になる可能性がある[71]。
米国では5,300万人以上の成人が骨粗鬆症を患っているか、発症の恐れがある。骨粗鬆症は、骨量の低下と骨組織の構造的劣化により、骨の脆弱性と骨折の危険性が増加することが特徴である[72]。2015年に米国で発生した骨粗鬆症性骨折は約230万件である[73]。骨粗鬆症は、ビタミンD欠乏に起因するくる病や骨軟化症とは対照的に、カルシウムおよび/またはビタミンD不足の長期的な影響によるものである。骨粗鬆症は、カルシウムの摂取不足と関連することが多いが、ビタミンDの摂取不足は、カルシウムの吸収を低下させることにより骨粗鬆症に寄与する[1]。
また、骨の健康は、バランスや姿勢の揺らぎを助け、転倒のリスク(危険)を減らすために、周囲の筋肉からのサポートにも依存している。ビタミンDは筋繊維の正常な発達や成長にも必要である。ビタミンDが不足すると、筋力に悪影響を及ぼし、筋力低下や痛み(ミオパシー)を引き起こす可能性がある[1]。
ビタミンDサプリメントが骨の健康に及ぼす影響に関する試験のほとんどは、カルシウムサプリメントも含んでいたため、それぞれの栄養素の効果を分離することは困難であった。加えて、研究により提供される栄養素の量や投与スケジュールが異なっている。
高齢者に関する臨床試験エビデンス
閉経後の女性および高齢の男性において、ビタミンDとカルシウムの両方のサプリメントが骨格全体の骨密度をわずかに増加させることが、多くの臨床試験で示されている[1,74].また、施設に入所している高齢者の骨折率の低下にも寄与している。しかし、ビタミンDとカルシウムのサプリメントが地域住民の骨折に与える影響に関するエビデンスは一貫していない。
USPSTFは、骨粗鬆症、ビタミンD欠乏、骨折の既往歴のない50歳以上の健康な地域居住成人51,419例を対象に、ビタミンDおよび/またはカルシウムの補給に関する11件のランダム化臨床試験を評価した[75,76]。現時点でのエビデンスでは、骨折を予防するためのサプリメントの有益性(ベネフィット)と有害性を評価するには不十分であると結論づけた。さらに、USPSTFは、この集団における骨折予防のために、10μg(400IU)以下のビタミンDと1,000mg以下のカルシウムの補給を行わないよう勧告したが、より高用量による有益性と有害性のバランスを判断することはできなかった。
また、USPSTFは、骨粗鬆症やビタミンD欠乏症を有さない65歳以上の地域在住成人を対象に、ビタミンD補給(うち2件はカルシウム補給も含む)の転倒リスク(危険)への影響について報告された7件の研究をレビューした。ビタミンDの補給は、転倒や転倒に起因する骨折などの傷害の数を減少させないことを「中程度の確実性で」結論づけた [77,78]。別の最近のシステマティックレビューでは、ビタミンDとカルシウムのサプリメントは、骨折、転倒、骨密度に有益な影響を与えないことも明らかになった[79,80]。一方、49,282例の高齢者を対象とした6件の試験のメタアナリシスでは、ビタミンD(10または20μg[400IUまたは800IU]/日)とカルシウム(800または1,200mg/日)を毎日平均5.9年間補給すると、あらゆる骨折のリスク(危険)が6%、股関節骨折のリスク(危険)が16%減少することがわかった[81]。
2018年までに報告された、ビタミンDサプリメント単独(10~20μg[400~800IU]/日以上を少なくとも毎週、または年に1回という頻度で9カ月~5年間)の11件のランダム化比較試験のシステマティックレビューとメタアナリシスでは、34,243例の高齢者を対象にサプリメントは骨折から保護しないことがわかった[81]。
さらに最近では、ビタミンDおよびオメガ3トライアル(VITAL;下記「がん」のセクションで詳述)の2022年の付随研究で、50歳以上の男性および55歳以上の女性、合計25,871例の一般的に健康な人々を対象に、ビタミンD3の補給(50 μg [2,000 IU]/日)が骨折リスク(危険)を低下させるかどうかを、追跡期間中央値5.3年でおこなった[82]。全参加者の平均年齢は67.1歳で、50.6%が女性、20.2%が黒人であった。ほとんどの参加者はビタミンDが十分な状態であった。ベースラインでは、25(OH)Dの血清値が30nmol/L(12ng/mL)未満であったのは2.4%のみであり、50nmol/L(20ng/mL)未満であったのは12.9%であった。ビタミンDの補給は、プラセボと比較して、総骨折、股関節骨折、非椎体骨折のリスク(危険)を低下させることはなかった。骨折発生率について、人種、民族、BMI、年齢、ベースラインの25(OH)Dレベル、あるいは参加者がカルシウムを補給していたか、骨折リスク(危険)が高いか、脆弱性骨折の既往歴があるかなどによって、グループ間に有意な差は認められなかった。
少数民族における骨の健康のためのビタミンDサプリメント
骨密度、骨量、骨折リスク(危険)は、白人およびメキシコ系米国人では血清25(OH)D値と相関しているが、黒人米国人では相関していない[14,83]。肥満、皮膚の色素沈着、ビタミンD結合タンパク質多型、遺伝学などの因子が、黒人と白人の間の25(OH)D値の違いの一因となっている。
1件の臨床試験では、60歳以上の黒人女性260例(平均年齢68.2歳)が、血清25(OH)D値を75 nmol/L(30 ng/mL)以上に維持するために1日60~120 μg(2,400~4,800 IU)のビタミンD3補給を3年間受けるよう無作為に割り付けられた[84]。その結果、試験を終了した184例の参加者において、25(OH)D値またはビタミンD投与量と転倒リスク(危険)との間に関連性は認められなかった。実際、黒人米国人は、1日のビタミンD摂取量が50 μg(2,000 IU)以上であれば、白人米国人よりも転倒や骨折のリスク(危険)が高くなる可能性がある[14]。さらに、高齢の黒人米国人女性の骨の健康は、血清25(OH)D値を50 nmol/L (20 ng/mL) 以上に上げても効果がないようである[84]。
ビタミンDサプリメントと筋肉機能
ビタミンDの補給が筋力や筋機能の低下率に及ぼす影響を検討した研究では、一貫性のない結果が得られている[55]。例えば、最近のある臨床試験では、65歳以上の虚弱者およびそれに近い成人78例が、毎日20μg(800IU)のビタミンD3、10μgの25(OH)D、またはプラセボを6カ月間投与する群に無作為に割り付けられた。両群は、筋力やパフォーマンスの測定において、有意な差を示さなかった[85]。別の研究では、血清25(OH)D値が50nmol/L(20ng/ml)以下の60歳以上の地域在住の男女100例(ほとんどが白人)が、800IUのビタミンD3またはプラセボに1年間ランダムに割り付けられた[86]。4カ月後の血清25(OH)D値が70nmol/L(28ng/ml)未満の治療群の参加者には、800IU/日のビタミンD3が追加で投与された。血清25(OH)D濃度は平均80nmol/L(32ng/ml)以上まで上昇したが、ビタミンD補給は下肢の能力、筋力、除脂肪体重に影響を与えなかった。
ビタミンDサプリメントと骨の健康についての結論
すべての成人は、食品と必要に応じてサプリメントから推奨量のビタミンDとカルシウムを摂取する必要がある。高齢の男女は、骨の健康を維持し、骨粗鬆症を予防・治療するための全体的な計画の一環として、両栄養素の必要性について今かかっている医療機関に相談する必要がある。
がん
実験室や動物実験では、ビタミンDが細胞分化を促進したり、転移を抑制したりすることで、発がんを抑制し、腫瘍の進行を遅らせる可能性が示唆されている。ビタミンDはまた、抗炎症作用、免疫調節作用、プロアポトーシス作用、血管新生抑制作用を持つ可能性がある[1,87]。観察研究および臨床試験(介入研究)において、ビタミンDの摂取量または血清値が、がんの発生、進行、または死亡リスク(危険)に影響を与えるかどうかについて、一貫していないエビデンスを示している。
がんの罹患率および死亡率
一部の観察研究では、25(OH)Dの血清値の低さと、がんの発生および死亡のリスク(危険)の増加との間に関連があることが示されている。がんと診断された8,345例を含む参加者137,567人例を対象とした16件の前向きコホート研究のメタアナリシスでは、がんで死亡したのは5,755例であった[88]。25(OH)D 値が 50 nmol/L (20 ng/mL) 増加すると、がんの総罹患率が 11% 減少し、男性ではなく女性では、がん死亡率が 24% 減少した。血清25(OH)D値とがん発生率(8件)またはがん死亡率(16件)との関連を評価した前向き研究のメタアナリシスでは、血清25(OH)D値が20 nmol/L (8 ng/mL) 上がるごとにがんのリスク(危険)が7%、がん死亡率が2%減少することがわかった[89]。重要なことは、すべての観察研究でビタミンDレベルが高いことが有益であるとされたわけではなく、研究集団、ベースラインの併存疾患、ビタミンDレベルの測定方法などがかなり異なっていることである。
臨床試験(介入研究)のエビデンスが観察研究の結果をある程度裏付けている。例えば、臨床試験のエビデンスをまとめた3件のメタアナリシスでは、ビタミンDの補給はがんの罹患率には影響しないが、がんの総死亡率を12~13%有意に減少させることが明らかになった[90-92]。最新のメタアナリシスでは、がん症例(6,537例)を含む10件のランダム化臨床試験(以下に述べるVITAL 試験を含む)で、10~50μg(400~2000IU)のビタミンD3を毎日(6試験)または500μg(2000IU)/週~12500μg( 50 万 500,000IU)/年ボーラス(4試験)投与された[91]。研究報告書には、3~10年分のフォローアップデータが報告されている。ビタミンDのサプリメントは、血清25(OH)D値が54~135nmol/L (21.6 から54ng/mL)であることと関連していた。ビタミンDの補給は、がん死亡率を13%減少させ、その効果の大部分は毎日の補給で発生した。
一般集団におけるがんの一次予防に対するビタミンD補給の効果を調べた最大の臨床試験であるVITALでは、50 μg(2,000 IU)/日のビタミンD3補給剤を、1,000 mg/日の海洋性オメガ3脂肪酸またはプラセボとともに、中央値5.3年間与えた[93]。この研究では、がんの既往歴のない50歳以上の男性25,871例と55歳以上の女性25,871例が対象となり、ほとんどの人がベースライン時に十分な血清25(OH)D値を有していた。乳がん、前立腺がん、大腸がんの罹患率は、ビタミンD群とプラセボ群で有意差はなかった。しかし、正常体重の参加者は、過体重や肥満の参加者に比べて、がんの発生率や死亡率がより低くなっていた。
いくつかの研究では、特定のがんに対するビタミンD補給の効果を検証した。以下は、ビタミンDと乳がん、大腸がん、肺がん、膵臓がん、前立腺がんとの関連性や効果に関する研究についての簡単な説明である。
乳がん
25(OH)D値と乳がんリスク(危険)および死亡率の間に逆相関があることを支持する観察研究があるが、そうでないものもある [94-97]Women's Health Initiative臨床試験は、閉経後の女性36,282例を対象に、ビタミンD3 400 IUとカルシウム1,000 mgを毎日投与する群とプラセボを平均7年間投与する群に無作為に割り付けた[98]。ビタミンD3とカルシウムのサプリメントは乳がん発生率を低下させず、試験開始時の25(OH)D値は乳がんリスク(危険)と関連しなかった[99]。
研究終了後4.9年間のその後の調査では、ビタミンDとカルシウムのサプリメントを摂取していた女性(その多くは摂取を継続)は、in situ(非浸潤性)乳がんのリスク(危険)が18%低かった[100]。しかし、試験開始時にビタミンD摂取量が15 μg(600 IU)/日を超えていた女性がサプリメントを摂取した場合、浸潤性乳がん(in situではない)のリスク(危険)が28%増加した。
大腸がん
大規模な症例対照研究には、大腸がんを発症し、採血からがん診断までの期間の中央値が 5.5 年の間に 25(OH)D 値が評価された 5,706 例と、7,105 例の対照群が含まれていた[101]。その結果、25(OH)D値が30nmol/L(12ng/mL)より低い場合、大腸がんリスク(危険)が31%高いという関連性が示された。75~87.5nmol/L未満(30~35ng/mL)および87.5~100nmol/L未満(35~40ng/mL)の値は、それぞれ19%および27%のリスク(危険)低下と関連していた。この関連性は、女性では実質的に強固であった。
Women's Health Initiative の臨床試験(上述)では、ビタミン D3 とカルシウムのサプリメントは、大腸がんの発生率に影響を与えなかった。研究終了後4.9年後の調査では、ビタミンDとカルシウムのサプリメントを摂取していた女性(その多くは摂取を継続)は、プラセボを摂取していた女性と同じ大腸がんリスク(危険)を有していた[100]。
別の研究では、1つ以上の鋸歯状ポリープ(大腸がんの前駆病変)を切除した45~75歳の健康な人2,259例を対象とした102]。これらの参加者は、25 μg (1,000 IU) のビタミン D3 と 1,200 mg のカルシウム、両方のサプリメント、またはプラセボを毎日3~5年間摂取し、参加者が治療を中止した後、さらに 3~5年間観察するよう無作為に割り付けられた。ビタミンD単独では新たな鋸歯状ポリープの発生に有意な影響はなかったが、ビタミンDとカルシウムの併用はリスク(危険)を約4倍に増加させた。VITAL試験では、ビタミンDの補給と大腸腺腫や鋸歯状ポリープのリスク(危険)との間に関連は見られなかった[103]。
肺がん
肺がんを発症した5,313例と対照群5,313例を含むコホート研究では、性別、年齢、人種および民族、喫煙状況別にデータを解析しても、血清25(OH)D濃度とその後の肺がんのリスク(危険)との間に関連はないことが明らかになった[104]。
膵臓がん
膵臓がんを発症した738例の男性と対照群738例を比較したある研究では、血清25(OH)D値と膵臓がんのリスク(危険)との間には何の関係もないことが明らかになった[105]。フィンランドの男性喫煙者200例と対照群400例を比較した別の研究では、25(OH)D濃度が最も高い五分位(65.5nmol/L [26.2 ng/mL]以上)の参加者は、最も低い五分位(32nmol/L [12.8 ng/mL]未満)の参加者に比べて、16.7年間に膵臓がんを発症するリスク(危険)が3倍以上高いことが明らかになった[106]。12,205例の男女のがんに関する10件の研究データをプールした調査では、25(OH)Dの濃度が75 nmol/L(30 ng/mL)を超えて100 nmol/L(40 ng/mL)未満では、膵臓がんのリスク(危険)は減少しないことが明らかになった。しかし、25(OH)D値が100nmol/L(40ng/mL)以上の場合、膵臓がんのリスク(危険)が増加することが示された[107].
前立腺がん
これまでの研究では、25(OH)Dの値が前立腺がんの発症と関連しているかどうかについて、エビデンスは一貫していない。2014年に報告されたいくつかの研究では、25(OH)Dが高値の場合、前立腺がんのリスク(危険)を高める可能性が示唆されている。例えば、前立腺がんの男性11,941例と対照者13,870例を含む21件の研究のメタアナリシスでは、25(OH)D濃度が高い参加者では前立腺がんのリスク(危険)が17%高いことが明らかになった[108]。何をもって「高値」とするかは研究によって異なるが、通常、少なくとも75nmol/L(30ng/mL)以上である。男性4,733例のコホート(うち1,731例が前立腺がん)では、25(OH)D値が45~70 nmol/L(18~28 ng/mL)の人は、それ以下の値の人も高い人も、病気のリスク(危険)が有意に低かった[109]。このU字型の関連は、最も侵攻性の高い前立腺がんの男性で最も顕著であった。前立腺がん1,695例および対照1,682例のケースコントロール解析では、25(OH)D値と前立腺がんリスク(危険)との間に関連は見られなかった[110]。しかしながら、血清25(OH)D値の高値(カットポイント75nmol/L [30ng/mL])は、成長の遅い前立腺がんのリスク(危険)が中程度に高く、侵攻性疾患のリスク(危険)がより実質的に低いことと関連していた。
しかし、2014年以降、いくつかの発表された研究およびメタアナリシスにより、25(OH)D値と前立腺がんリスク(危険)との間に関連性がないことが判明した[111,112]。例えば、前立腺がんを発症した13,462例の男性と対照群20,261例の診断前の25(OH)D値に関するデータを提供した19件の前向き研究の解析が行われた[113]。ビタミンDの欠乏または不足は前立腺がんのリスク(危険)を増加させず、25(OH)D濃度が高いことがリスク(危険)の低下と関連することはなかった。
複数の研究では、前立腺がんの男性における25(OH)D値が、同疾患または何らかの原因による死亡リスク(危険)の低下と関連しているかどうかが検討されている。ある研究では、前立腺がんの治療を受けた男性1,119例を対象に、診断から4.9~8.6年後に血漿25(OH)D濃度を測定している。死亡した198例の参加者(41例は前立腺がんによる死亡)において、25(OH)D値は前立腺がんまたはあらゆる原因による死亡リスク(危険)と関連していなかった[114]しかしながら、前立腺がんの男性7,808例を含む7件のコホート研究のメタアナリシスでは、25(OH)D値の高さは、前立腺がんまたはその他の原因による死亡率の低さと有意に関連していることが明らかにされた[115]。用量反応解析の結果、25(OH)Dが20nmol/L [8 ng/mL]増加するごとに、全死因死亡率および前立腺がん特異的死亡率の両方のリスク(危険)が9%低下することと関連していることが明らかになった。
前立腺がんの男性では、ビタミンDの補給が、がん関連の生存期間を延長するかどうかは明らかにされていない。前立腺がんの男性1,273例を対象とした3件のランダム化比較試験のメタアナリシスでは、ビタミンD補給(10μg [400 IU]/日を28日間から45μg [1,800 IU]を2週間間隔で3回に分けて摂取)を受けている人とプラセボを受けている人との間で、総死亡率に有意な差は認められなかった[116]。
ビタミンDとがんに関する結論
USPSTFは、エビデンスが不十分であるため、がん予防のためのビタミンD補給の有益性と有害性のバランスを評価することができないと述べた[117]。以上をまとめると、これまでの研究では、カルシウム補給の有無にかかわらずビタミンDが、がんの発生率を減少させることは示されていないが、25(OH)D値が十分またはそれ以上であれば、がん死亡率を減少させる可能性がある。ビタミンDの不足が、がんリスク(危険)を増加させるかどうか、この栄養素の供給を増やすことでがんを予防できるかどうか、また、一部の個人ではビタミンDの状態が長期的に変化することでがんリスク(危険)が増加する可能性があるかどうかを判断するためには、さらなる研究が必要とされている。
心血管系疾患(Cardiovascular disease:CVD)
ビタミンDは、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系〔血圧や体液量、血清電解質の調節に関わる、内分泌系の調節機構の1つ〕(それにより血圧)、血管細胞の増殖、炎症性および線維化経路の調節を助ける[118]。ビタミンDの欠乏は、血管機能障害、動脈硬化、左室肥大、高脂血症などと関連している[119]。これらの理由から、ビタミンDは心臓の健康やCVDのリスク(危険)と関連があるとされてきた。
観察研究では、血清25(OH)D値の上昇とCVDの発症リスク(危険)および死亡リスク(危険)の低下との関連が支持されている。例えば、あるメタアナリシスでは、180,667例(平均年齢50歳以上)を、1.3~32年以上フォローアップした34件の観察研究が含まれている。その結果、ベースラインの血清25(OH)D値は、CVDイベント(心筋梗塞、虚血性心疾患、心不全、脳卒中を含む)の総発生数および死亡リスク(危険)と逆相関することが明らかになった[120]。全体として、血清25(OH)Dが25nmol/L(10ng/mL)増加するごとに、CVDイベントのリスク(危険)が10%低下した。
デンマークの成人247,574例を0~7年間追跡した別の大規模観察研究では、25(OH)D値が低値(約12.5nmol/L [5ng/mL] )と高値(約125nmol/L [50ng/mL] )では、CVD、脳卒中、急性心筋梗塞による死亡リスク(危険)が増加と関連していることが明らかになった[121]。他の前向き研究のメタアナリシスでは、血清25(OH)D値またはビタミンD摂取量によって測定したビタミンD状態の低下と、虚血性脳卒中、虚血性心疾患、心筋梗塞、早期死亡のリスク(危険)増加との関連が示されている[122,123]。
観察研究とは対照的に、臨床試験(介入研究)では、ビタミンDの補給がCVDやCVD死亡のリスク(危険)を低下させるという仮説はほとんど支持されていない。例えば、ニュージーランドで行われた3年間の試験では、成人5,110例(平均年齢65.9歳)が中央値で3.3年間、ビタミンD3 5,000 μg(200,000 IU)の単回投与に続いて毎月 2,500μg(100,000 IU)を投与されるかプラセボを投与されるか無作為に割り付けられた[124]。ビタミンDの補給は、心筋梗塞、狭心症、心不全、不整脈、動脈硬化、脳卒中、静脈血栓症の発症率、CVDによる死亡率に影響を与えなかった。同様に、上述のVITALの臨床試験では、ビタミンDのサプリメントは、心臓発作、脳卒中、冠動脈血行再建術、心血管系の原因による死亡率を有意に減少させなかったことが明らかになった[93]。さらに、この効果は、ベースラインの血清25(OH)D値や、ビタミンDに加えて試験で使用されたオメガ3サプリメントを摂取したかどうかによる差もなかった。
しかし、骨折リスク(危険)を検証するために設計された別の臨床試験では、70歳以上の成人5,292例を対象に、1日800IUのビタミンD3(カルシウムを含む、またはカルシウムを含まない)またはプラセボを中央値6.2年間投与したところ、心不全は予防されたが、心筋梗塞や脳卒中は予防されなかったことが明らかになった[125]。
血清コレステロール値の高さと高血圧は、CVDの主な危険因子の2つである。ビタミンDの補給とコレステロール値に関するデータは、合計3,434例(平均年齢55歳)を対象とした41件の臨床試験のメタアナリシスで示されているように、混在している。その結果、0.5 μg(20 IU)〜214 μg(8,570 IU)/日のビタミンD補給平均2,795 IU)を6週間〜3年間行ったところ、血清総コレステロール値、低密度リポ蛋白コレステロール値、トリグリセリド値は低下したが、高密度リポ蛋白コレステロール値は低下しなかったことが明らかになった[126]。
ビタミンDのサプリメントが高血圧に及ぼす影響に関する研究も、さまざまな結果が得られている。4,541例の参加者を含む46件の臨床試験のメタアナリシスでは、ビタミンDのサプリメント(一般的に40μg [1,600 IU]/日以下)を最低4週間摂取しても、収縮期および拡張期血圧に有意な影響はなかった[127]。一方、5 μg(200 IU)から300 μg(12,000 IU)/日のビタミンD3を平均5.6カ月間投与した4,744例(平均年齢54.5歳)の30件の臨床試験のメタアナリシスでは、20 μg(800 IU)/日以上が、高血圧を有する正常体重者の収縮期および拡張期血圧を著しく低下させたことが示されている[128]。しかし、20μg(800IU)/日以上のビタミンD3をカルシウムサプリメントと一緒に摂取すると、過体重や肥満の参加者の血圧を有意に上昇させた。146,581例の参加者(主に成人)の遺伝学的研究の別のメタアナリシスでは、低ビタミンDの状態は、25(OH)Dの低内因性産生に関連する遺伝的バラツキを持つ人の血圧と高血圧リスク(危険)を増加させることがわかった[129]。
全体として、臨床試験では、ベースラインで25(OH)D状態が低い(20 nmol/L [12 ng/mL]未満)人でも、ビタミンDの補給はCVDリスク(危険)を減少しないことが示されている[93,124]。
うつ病
ビタミンDはさまざまな脳内プロセスに関与しており、うつ病の病態生理に関与していると考えられている脳の神経細胞やグリア(神経膠細胞)にはビタミンD受容体が存在している[130]。
合計31,424例の成人(平均年齢27.5~77歳)を含む14件の観察研究のシステマティックレビューおよびメタアナリシスにより、25(OH)Dの欠乏または低値とうつ病との間に関連があることが明らかになった[130]。
しかし、臨床試験(介入研究)は、これらの知見を支持するものではない。例えば、うつ病または抑うつ症状と診断された成人参加者4,923例を対象とした9件の試験のメタアナリシスでは、ビタミンDを補給しても症状の有意な減少は見られなかった[131]。試験では、異なる量のビタミンDが投与された(10 μg [400 IU]/日~1,000 μg [40,000 IU]/週まで)。また、研究期間(5日~5年)、参加者の平均年齢(22歳~75歳)、ベースラインの25(OH)D値も異なっていた。さらに、すべてではないが、いくつかの研究では抗うつ薬を同時に投与していた研究もあった。
このメタアナリシス以降に実施された3件の試験でも、ビタミンD補給による抑うつ症状への影響は認められなかった。ある試験では、206例の成人(平均年齢52歳)が、2,500 μg(100,000 IU)のビタミンD3のボーラス投与後、500 μg(20,000 IU)/週またはプラセボを4カ月間摂取する群に無作為に割り付けられた[132]。ほとんどの参加者は、うつ病の程度が最小限または軽度で、ベースラインの平均25(OH)値は33.8 nmol/L (13.5 ng/mL) と低く、抗うつ薬を服用していなかった。2番目の試験は、臨床的に重要な抑うつ症状があり、大うつ病性障害はなく、血清25(OH)D値が季節によって50~70nmol/L (20~28ng/mL) 未満で、さらに抗うつ薬を服用していない60~80歳の成人155例を対象とした[133,134]。参加者は、30 μg (1,200 IU)/日のビタミンD3またはプラセボを1年間投与する群に無作為に割り付けられた。上記のVITAL試験では、うつ病の既往のない50歳以上の男女16,657例と、うつ病再発のリスク(危険)が高い(過去2年間医学的治療を受けていない)1,696例が、50 μg(2,000 IU)/日のビタミンD3(魚油併用またはプラセボ)を中央値で5.3年間、ランダムに投与された[135]。うつ病の発症率や再発率、臨床的に重要なうつ病の症状、気分スコアの変化には、両群間に有意な差は認められなかった。
全体として、臨床試験では、特に処方された抗うつ薬を服用していない中年から高齢者において、ビタミンDサプリメントがうつ病の症状や軽度のうつ病の予防や治療に役立つことは発見されなかった。25(OH)D値が低いか不足しており、抗うつ薬を服用している臨床的うつ病の患者に対して、ビタミンDサプリメントが有益かどうかを評価した研究はない。
多発性硬化症(Multiple sclerosis:MS)
多発性硬化症は、脳や脊髄の神経細胞を取り囲み、保護するミエリン鞘に損傷を与える中枢神経系の自己免疫疾患である。この損傷は、脳と身体の間のメッセージを妨げたり、ブロックしたりし、視力低下、運動機能低下、痙縮、運動失調、振戦、感覚喪失、認知機能障害などの臨床症状を引き起こす[136,137]。多発性硬化症患者の中には、最終的に書く能力、話す能力、歩く能力を失ってしまう人もいる。
世界の多発性硬化症の地理的分布は均一ではない。赤道付近では発症する人は少ないが、北や南の方が有病率は高い。この不均一な分布は、日光への露出が少ない人のビタミンD値が低いと子の疾患に罹患するのではないかという推測につながっている[137]。
多くの疫学的・遺伝学的研究では、多発性硬化症と低25(OH)D値の間の関連性が示されている[137]。観察研究では、十分なビタミンD値は、MSに罹患するリスク(危険)を低減させ、多発性硬化症がすでに存在する場合は、多発性硬化症の再発のリスク(危険)を低減し、病気の進行を遅くする可能性があることを示唆している [138]。例えば、ある研究では、フィンランドの女性1,092例の25(OH)D値を多発性硬化症診断の平均9年前に測定し、多発性硬化症を発症しなかった2,123例の同様の女性のアウトカムと比較した[139]。多発性硬化症を発症した女性の半数以上は、ビタミンDが欠乏または不足していた。25(OH)D 値が 30 nmol/L (12 ng/mL) 未満の女性は、50 nmol/L (20 ng/mL) 以上の女性よりも 43% 高い 多発性硬化症リスク(危険)を示した。診断前に2つ以上の血清25(OH)Dサンプルを採取した女性(これによりランダムな測定値のばらつきが減少した)において、25(OH)Dの50nmol/L増加は多発性硬化症のリスク(危険)の41%減少と関連し、25(OH)D値が30nmol/L未満の場合は多発性硬化症のリスク(危険)と関連し、50nmol/L以上の場合と比較して2倍の多発性硬化症リスク(危険)となった。
米国の非ヒスパニック系白人444例[140]とスウェーデン北部の576例[141]を対象とした同様のデザインの2件の先行の前向き研究では、25(OH)D値がそれぞれ99.1nmol/L(39.6ng/mL)以上、75nmol/L(30ng/mL)以上であることが、多発性硬化症のリスク(危険)が61~62%低下することと関連していることが明らかになっている。
ビタミンDの補給が多発性硬化症の発症を予防できるかどうかを調べた臨床試験(介入研究)はないが、ビタミンDの補給が疾患の管理に役立つかどうかを調べた臨床試験は複数ある。2018年のコクランレビューでは、多発性硬化症の参加者が合計933例を対象とした12件の試験を解析し、レビューアらはこれらのすべての試験の必が低かったと判断した[137]。全体として、プラセボ摂取と比較してビタミンDの補給は、再発や症状の悪化などの関連する臨床アウトカムに影響を及ぼさなかった。
専門家は、臨床試験のエビデンス不足により、ビタミンDが多発性硬化症を予防するのに役立つかどうかについての確固たるコンセンサスを得ることはできなかった[142]。また、研究では一貫してビタミンD補給が活動的な多発性硬化症の徴候や症状を抑制したり、再発の率を減らしたりすることは示されていない。
2型糖尿病
ビタミンDはグルコース代謝に関与している。膵臓β細胞のビタミンD受容体を介してインスリン分泌を促進し、筋肉や肝臓のビタミンD受容体を介して末梢のインスリン抵抗性を低下させる[143]。ビタミンDは、炎症を軽減し、膵臓のβ細胞機能を改善する能力と同様に、グルコース代謝やインスリンシグナル伝達への効果を介して、2型糖尿病の病態生理に関与している可能性がある[143,145]。
観察研究は、糖尿病のリスク(危険)の増加と血清25(OH)D値の低下が関連しているとしているが、それらの結果は、多くの参加者が太りすぎや肥満であったため、糖尿病を発症し、25(OH)D値が低下しているより多くの素因があったという事実によって混同されている可能性がある[1]。2型糖尿病の有無にかかわらず、16カ国の成人を対象とした71件の観察研究のレビューでは、糖尿病の有無にかかわらず、ビタミンDの状態と血糖値との間に有意な逆相関関係があることが明らかになった[146]。
観察研究と対照的に、臨床試験(介入研究)では、ビタミンDの補給がグルコースのホメオスタシス(恒常性)に有効であることをほとんど裏付けていない。ある試験では、健康で糖尿病を患っておらず、低血清ビタミンD値(50nmol/L[20ng/mL]以下)の、過体重または肥満の成人男女65例(平均年齢32歳)が対象となった [147]。研究者らは、参加者に対してランダムに、2,500μg(100,000IU)のビタミンD3をボーラス経口投与し、その後100μg(4,000IU)/日または、プラセボを16週間投与するかのいずれかに割り付けた。研究を完了した54例の参加者において、ビタミンDの補給は、プラセボと比較して、インスリン感受性およびインスリン分泌を改善しなかった。
あるシステマティックレビューとメタアナリシスでは、正常耐糖能、糖尿病前症、2型糖尿病の成人43,407例が、中央値83 μg(3,332 IU)/日のビタミンDサプリメントまたはプラセボを中央値16週間摂取した35件の臨床試験を評価している[148]。ビタミンDは、研究集団、ビタミンD投与量、試験の質にかかわらず、グルコースホメオスタシス、インスリン分泌または抵抗性、ヘモグロビンA1c(HbA1c)レベル(過去2~3カ月間の平均血糖値の指標)に有意な影響を与えなかった。
複数の試験では、ビタミンDの補充が25(OH)D値が十分な患者の糖尿病への移行を防ぐことができるかどうかが検証され、すべての試験で否定的な結果が得られている。ノルウェーで行われた試験では、25~80歳(平均年齢62歳)の糖尿病予備軍の男女511例が、毎週500 μg(20,000 IU)のビタミンD3またはプラセボを5年間摂取した[149]。その結果、2型糖尿病への移行率、血清グルコース値、インスリン値、HbA1c値、インスリン抵抗性の測定値に有意差は認められませんでした。ベースライン時の参加者の平均血清25(OH)D値は60nmol/L(24ng/mL)と十分な値であった。
糖尿病予防のためのビタミンDサプリメントに関するこれまでの最大規模の臨床試験では、糖尿病予備軍で過体重または肥満(平均BMI 32.1)の25歳以上の男女2,423例(平均年齢60歳)を、ビタミンD3 100 μg(4,000 Iu)/日またはプラセボにランダムに割り付け、中央値で2.5年間追跡した [145]。ほとんどの参加者(78%)は、ベースライン時のビタミンDの血清値が適切(少なくとも50 nmol/L [20 ng/mL])であった。ビタミンDは、プラセボと比較して、糖尿病の発症を有意に抑制することはできなかった。しかし、ポストホック解析では、ベースラインの血清25(OH)D値が低い(30 nmol/L [12 ng/mL]未満)参加者に対してビタミンDを補給した結果、プラセボを摂取した参加者に比べて糖尿病の発症率が62%低いことが示された [145,150]。
また、研究では、糖尿病の管理のためのビタミンD補給の値を評価し、ビタミンDには限られた有益性(ベネフィット)があるという結果を得た。20件の臨床試験のメタアナリシスでは、2~6ヶ月間、1日あたり0.5 μg(20 IU)から1,250 μg(50,000 IU)/週のビタミンDを補給した場合の効果と、プラセボを投与した場合の効果を比較した。対象は、糖尿病を患う世界中の成人2,703例であった 143]。ビタミンDは、特にベースラインでビタミンDが不足しており、血糖コントロールが良好で、肥満ではなく、中東民族である、1日50 μg(2,000 IU)以上摂取している人において、インスリン抵抗性をわずかではあるが有意に減少させた。しかし、この補給は、空腹時血糖値、HbA1c、空腹時インスリン値には有意な影響を与えなかった。
これまでの臨床試験では、ビタミンDの補給がグルコースのホメオスタシスの維持に役立ち、糖尿病予備軍から2型糖尿病への進展リスク(危険)を低減し、特にビタミンD不足の人において疾患の管理に役立つというエビデンスはほとんど得られていない。
体重減少
観察研究では、体重の増加はビタミンDのステータスの低下と関連しており、肥満者の循環25(OH)Dレベルは、しばしば限界または欠乏した状態であることが示されている[151]。しかし、臨床試験(介入研究)では、ビタミンDと体重減少の因果関係は支持されていない。
カロリー制限、運動、またはその両方を用いた15件の減量介入研究(必ずしもビタミンDの補給や他の治療法を用いたものではない)のシステマティックレビューとメタアナリシスによると、体重を減らした人は、体重を維持した人に比べて血清25(OH)D値が有意に大きく上昇したことが明らかになった[152]。別の研究では、閉経後の女性、特にベースラインの総カルシウム摂取量が1,200mg/日未満の女性において、10μg(400 IU)/日のビタミンDと1,000mg/日のカルシウムの補給は、プラセボと比較して体重増加量をわずかだが有意に減少させた[153]。しかし、12件のビタミンD補給に関する試験(体組成測定を主要アウトカムとした5試験を含む)のメタアナリシスでは、カロリー制限を行わないビタミンD補給は、プラセボと比較した場合、体重や脂肪量に影響を与えないことがわかった[154]。
全体として、利用可能な研究は、より多くのビタミンDの消費またはビタミンDサプリメントの摂取は、体重減少を促進しないことを示唆している。
ビタミンD過剰摂取による健康上のリスク
ビタミンDの過剰摂取は有害である。ビタミンDは消化管でのカルシウム吸収を増加させるため、ビタミンDの毒性は著しい高カルシウム血症(総カルシウム値が11.1mg/dLを超え、正常範囲の8.4~10.2mg/dLを超える)、高カルシウム尿、および血清25(OH)D高値(通常、375nmol/l [150ng/mL]を超える)をもたらす[155]。同様に、高カルシウム血症は、悪心、嘔吐、筋力低下、神経精神障害、疼痛、食欲不振、脱水、多尿、過度の喉の渇き、および腎臓結石を引き起こす可能性がある。
ビタミンD中毒は、極端な場合、腎不全、全身の軟部組織の石灰化(冠状動脈や心臓弁を含む)、心臓の不整脈を引き起こし、さらに死に至ることもある。ビタミンD中毒は、製造上のミスにより過剰なビタミンD量を含むダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)の摂取、不適切または過剰な量の摂取、または医師による誤った処方によって引き起こされている[155-157]。
専門家は、皮膚でプレビタミンD3が熱活性化されると、ビタミンD3の形成を制限するさまざまな非ビタミンD形態が生じるため、過度の日光浴がビタミンD中毒を引き起こすとは考えていない。また、一部のビタミンD3は非活性型に変換される[1]。しかし、人工紫外線を照射する日焼けベッドの頻繁な使用は、25(OH)D値を375-500 nmol/L (150-200 ng/mL) をはるかに超える値にする可能性がある[158-160]。
1,000mg/日のカルシウムと10μg(400IU)/日のビタミンDを摂取する群とプラセボ群に無作為に割り付けられた36,282例の閉経後女性において、高容量のカルシウム(食品やサプリメントからの摂取量が約2,100mg)と中用量のビタミンD(食品やサプリメントからの摂取量が約19μg [765 IU]/日)の組み合わせ摂取した場合では、7年間で腎結石のリスク(危険)を17%上昇させた[161]。しかし、成人におけるビタミンD単独またはカルシウムとの併用に関する他の短期間(24週間から5年間)の臨床試験では、高カルシウム血症および高カルシウム尿症のリスク(危険)が高いが、腎臓結石のリスク(危険)はないことが明らかになった[162,163]。
FNBは2010年にビタミンDのULを設定した(表4)[1]。FNBは、1日の摂取量が250μg(10,000IU)以下では毒性の徴候や症状は考えにくいことを認めながらも、ビタミンDの摂取量がUL値より低くても、時間とともに健康に悪影響を及ぼす可能性があることを指摘した。FNBは、血清25(OH)D値が約125-150nmol/L(50-60ng/mL)以上にならないよう助言し、さらに低い血清値(約75-120nmol/L[30-48ng/mL])でも、高齢者の全死因死亡率、いくつかの部位(例えば膵臓)でのがんのリスク(危険)、心血管イベントのリスク(危険)、転倒・骨折数の増加と関連していると明らかにした。
年齢 | 男性 | 女性 | 妊娠 | 乳婦 |
---|---|---|---|---|
生後0~6カ月 | 25 µg (1,000 IU) |
25 µg (1,000 IU) |
||
生後7~12カ月 | 38 µg (1,500 IU) |
38 µg (1,500 IU) |
||
1~3歳 | 63 µg (2,500 IU) |
63 µg (2,500 IU) |
||
4~8歳 | 75 µg (3,000 IU) |
75 µg (3,000 IU) |
||
9〜18歳 | 100 µg (4,000 IU) |
100 µg (4,000 IU) |
100 µg (4,000 IU) |
100 µg (4,000 IU) |
19歳以上 | 100 µg (4,000 IU) |
100 µg (4,000 IU) |
100 µg (4,000 IU) |
100 µg (4,000 IU) |
医薬品との相互作用
ビタミンDサプリメントは、一部の種類の医薬品と相互作用する可能性がある。以下に例を記載する。定期的にこれらの医薬品を服用している人は、ビタミンD摂取について今かかっている医療機関※に相談する必要がある。
オルリスタット(Orlistat)
減量薬のオルリスタット(Xenical、Alli)は、低脂肪食との併用により、食品やサプリメントからのビタミンDの吸収を抑え、25(OH)Dレベルを低下させる可能性がある[164-167]。
スタチン
スタチン系薬剤はコレステロールの合成を抑える。内因性ビタミンDはコレステロールに由来するため、スタチンはビタミンDの合成を低下させる可能性がある[167]。さらに、特にサプリメントからのビタミンDの大量摂取は、アトルバスタチン(Lipitor)、ロバスタチン(AltoprevおよびMevacor)、シンバスタチン(FloLipidおよびZocor)の効力を低下させる可能性がある [167-170]。
ステロイド剤
炎症を抑えるためにプレドニゾン(Deltason、Rayos、Sterapred)などの副腎皮質ステロイド薬が処方されることが多い。これらの薬は、カルシウムの吸収を低下させたり、ビタミンDの代謝を損なったりすることがある。 [171-173]。NHANES 2001~2006年の調査では、25(OH)D欠乏(25 nmol/L [10 ng/mL]未満)は、経口ステロイドの使用(11%)を報告した小児および成人では、非使用者(5%)よりも2倍以上多く見られた[174]。
サイアザイド系利尿薬
サイアザイド系利尿薬(Hygroton、Lozol、Microzideなど)は尿中カルシウム排泄量を減少させる。これらの利尿薬とビタミンDサプリメント(腸管カルシウム吸収を増加させる)の併用は、特に高齢者や腎機能が低下している人、または副甲状腺機能亢進症の患者において高カルシウム血症を引き起こす可能性がある[167,175,176]。
ビタミンDと健康的な食生活
連邦政府の「2020–2025 Dietary Guidelines for Americans(2020-2025年版 米国の食事指針)」では、「食品は健康に役立つさまざまな栄養素やその他の成分を提供するため、栄養ニーズは主に食品を通して満たす必要がある。…場合によって、強化食品やダイエタリーサプリメントは、他の方法では1つまたは複数の栄養素の必要量を満たすことができない場合(例えば、妊娠などの特定のライフステージ)に有用である。」と記されている。
健康的な食生活の構築についての詳細は、「Dietary Guidelines for Americans(米国の食事指針)」[英語サイト]と米国農務省の「MyPlate(私の食事)」[英語サイト]をご覧ください。
「Dietary Guidelines for Americans(米国の食事指針)」では、健康的な食生活を以下のように説明している。
- さまざまな野菜、果物、穀物(少なくとも半分が全粒粉)、無脂肪および低脂肪の牛乳、ヨーグルト、チーズ、油脂を含む。
- 牛乳、多くのインスタントシリアル、一部のヨーグルトやオレンジジュースはビタミンDが強化されている。チーズは自然に少量のビタミンDを含んでいる。一部のマーガリンにもビタミンDが添加されていることがある。
- 赤肉、鶏肉、卵、魚介類、豆・エンドウ・レンズ豆、ナッツ・種子、大豆製品など、さまざまなタンパク質食品を含む。
- サケ、マグロ、サバなどの脂肪分の多い魚はビタミンDの供給源として非常に優れており、牛レバーや卵黄には少量のビタミンDが含まれている。
- 糖分、飽和脂肪、ナトリウムを多く含む食品や飲料を制限する。
- アルコール飲料を制限する。
- 1日に必要なカロリーの範囲内に収まっている。
(※補足:原文では、healthcare provider。米国では主に医療サービス等のヘルスケアを提供している病院/医師を指す。また、健康保険会社や医療プログラムを提供する施設等も含む。)
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更新日:2025年6月19日
監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日
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