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過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome:IBS)と補完療法について知っておくべき7つのこと
7 Tips: Irritable Bowel Syndrome and Complementary Health Approaches

本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。

最新版(英語版オリジナルページ)はこちら
英語版最終アクセス確認日:2025年7月

過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome:IBS)は、大腸の正常な機能を妨げる慢性疾患です。症状としては、腹痛、腹部疝痛(痙攣)、腹部膨満感、便秘、下痢などがあります。IBS患者の多くは、症状を軽減するために補完療法に頼ることがあり、そして、これらのアプローチの中には、いくらか有用である可能性を示す新たなエビデンス(科学的根拠)も出てきています。

ここでは、IBSに対する補完療法について、知っておくべき7つのことを紹介しています。

  1. プロバイオティクス。一部のプロバイオティクスがIBSの症状を改善するかもしれないとするエビデンスがありますが、その有用性は決定的なものではありません。また、プロバイオティクスの種類によって効果が異なるかもしれません。
  2. 腸管に焦点をあてた催眠療法[腸(管)指向催眠療法]。腸管指向催眠療法が、IBS患者の胃腸症状、不安、抑うつ、日常生活への支障、健康に関連する生活の質(Quality of Life:QOL)に有用であることを示唆する研究があります。催眠療法は機能性腹痛の症状がある小児の疼痛緩和にも有用であるかもしれませんが、エビデンスは少ないです。
  3. ペパーミントオイル。ペパーミントオイルの腸溶性カプセルは、腹痛、膨満感、ガスなどいくつかの一般的なIBSの症状に対して、短期的にある程度有用であるかもしれません。
    (補足:日本では、ペパーミントのエッセンシャルオイルの経口摂取は認められていません。)
  4. ハーブ製品。ペパーミントオイル以外にも、IBSの治療法として示唆されているハーブ製品がいくつかあります。これらの製品については、質の高い研究はほとんど行われていません。
  5. 鍼治療。鍼治療と偽(シャム)鍼治療を比較した研究では、鍼治療は、偽(シャム)鍼治療を上回る有用性を示しませんでした。
  6. ヨガ。ヨガや他の種類の運動がIBSの症状に有用であるかもしれないことを示唆する研究はわずかです。
  7. 自分の健康を守るために、自分が行っている補完療法について今かかっている医療機関※に相談しましょう。そうすることで、十分な情報を得た上で意思決定をすることができます。

(※補足:原文では、healthcare provider。米国では主に医療サービス等のヘルスケアを提供している病院/医師を指す。また、健康保険会社や医療プログラムを提供する施設等も含む。)

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更新日:2025年10月31日

監訳:時信亜希子(京都大学)、大野茜(国立国府台医療センター)、大野智(島根大学)
翻訳公開日:2021年3月12日

ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください

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