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ビタミンC
Vitamin C

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[補足]
本文中の必要摂取量、推奨摂取量、上限値・下限値等は米国人を対象としたデータです。日本人に関するデータについては「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」などをご参照ください。
日本人の食事摂取基準(厚生労働省)
本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。
英語版最終アクセス確認日:2024年12月
これは医療関係者向けです。平易な言葉で書かれた概要については、一般の方へ:ビタミンC(VitaminC)をご覧ください。
はじめに
ビタミンCは、L-アスコルビン酸として知られる水溶性ビタミンで、食品には自然に含まれたり、人工的に添加されたりするほか、ダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)(eJIMサイト内:一般向け・医療関係者向け)としても利用されている。ヒトは多くの動物と異なり、ビタミンCを内因的に合成することができないため、食事から摂取することが不可欠な成分となっている[1]。
ビタミンCは、コラーゲン、L-カルニチンおよび特定の神経伝達物質の生合成に必要である。また、ビタミンCはタンパク質代謝に関与する[1,2]。コラーゲンは、結合組織の必須成分であり、創傷治癒に重要な役割を果たす。ビタミンCはまた重要な生理的抗酸化物質であり[3]、体内でα-トコフェロール(ビタミンE)などの他の抗酸化物質を再生することが示されている[4]。現在進行中の研究では、ビタミンCがその抗酸化活性を通じてフリーラジカルの損傷作用を抑えることで、特定のがんや心血管疾患、その他酸化ストレスが原因となっている疾患の予防や発症の遅延に役立つ可能性が検証されている。ビタミンCは、生合成および抗酸化機能に加え、免疫機能の上でも重要な役割を果たしており[4]、植物性食品に存在する鉄の形態である非ヘム鉄の吸収を高める[5]。ビタミンCの摂取不足は壊血病の原因となり、倦怠感や無気力、広範囲の結合組織の弱体化、毛細血管の脆弱化などを特徴とする[1,2,4,6-9]。
ビタミンCの腸管吸収は、少なくとも1つの特異的な用量依存性の能動輸送担体によって調節されている[4]。細胞は第二の特異的輸送タンパク質を介してビタミンCを蓄積する。In vitro研究では、酸化ビタミンC(すなわちデヒドロアスコルビン酸)は、一部の促進性グルコース輸送体を介して細胞に入り、その後細胞内でアスコルビン酸に還元されることが判明した。デヒドロアスコルビン酸の取り込みの生理学的な重要性やビタミンCの収支全体への寄与は不明である。
ビタミンCの経口摂取は、体内で厳密にコントロールされた組織および血漿濃度を生成する。ビタミンCは、30~180 mg/日の適度な摂取量では、その約70%~90%が吸収される。しかし、1g/日を超える摂取量では、吸収率は50%未満に低下し、吸収された未代謝のアスコルビン酸は尿中に排泄される[4]。薬物動態研究の結果から、1.25 g/日のアスコルビン酸の経口投与は135 μmol/Lの平均ピーク血漿ビタミンC濃度を生じ、これはビタミンCの豊富な食品から200~300 mg/日のアスコルビン酸を摂取した場合の約2倍であることが示されている。[10]。薬物動態モデリングでは、3 gのアスコルビン酸を4時間ごとに投与したとしても、血漿中のピーク濃度は220 μmol/Lにしかならないことが予測される。[10]。
ビタミンCの体内総量は、300 mg(壊血病に近い状態)から約2 gまでの幅がある[4]。高濃度のビタミンC(ミリモル濃度)は、細胞および組織内で維持され、白血球、眼、副腎、脳下垂体および脳内で最も高い濃度で含まれる。比較的低濃度のビタミンC(マイクロモル濃度)は、血漿、赤血球、唾液などの細胞外液に存在する[4]。
推奨摂取量
ビタミンCおよびその他の栄養素の所要量は、米国医学研究会(Institute of Medicine:IOM)の食品栄養委員会(Food and Nutrition Board:FNB)が作成した食事摂取基準(Dietary Reference Intakes:DRI)に記載されている[8]。DRIは、健康な人の栄養摂取の計画と評価に関する一連の基準値に対する総称である。これらの基準値は年齢や性別ごとに異なり、次のような項目がある [8] 。
- 推奨所要量(推奨量、Recommended Dietary Allowance、RDA):ほぼすべて(97%~98%)の健康な人の栄養所要量を満たすのに十分な1日あたりの平均摂取量であり、個人の栄養的に適切な食事を計画する際によく用いられる。
- 適正摂取量(目安量、Adequate Intake:AI):このレベルの摂取は、栄養の適切性を確保するために想定されており、RDAを策定するためのエビデンス(科学的根拠)が不十分な場合に設定される。
- 推定平均必要量(Estimated Average Requirement:EAR):健康な人の50%の必要量を満たすと推定される1日の平均摂取量。通常、集団の栄養摂取量を評価し、栄養的に適切な食事を計画するために使用される。また、個人の栄養摂取量の評価にも使用できる。
- 許容上限摂取量(上限量、Tolerable Upper Intake Level:UL):健康への悪影響はないと思われる1日の最大摂取量。
表1は現行のビタミンCのRDAを示したものである[8]。ビタミンCのRDAは、白血球におけるビタミンCの既知の生理学的機能および抗酸化機能に基づいており、欠乏症の予防に必要とされる量をはるかに上回るものである[4,8,11]。生後0カ月から12カ月の乳児については、FNBは健康な母乳育児児のビタミンC摂取量の平均値に相当するAIを設定した。
年齢 | 男性 | 女性 | 妊娠 | 乳婦 |
---|---|---|---|---|
生後0~6カ月 | 40 mg* | 40 mg* | ||
生後7~12カ月 | 50 mg* | 50 mg* | ||
1~3歳 | 15 mg | 15 mg | ||
4~8歳 | 25 mg | 25 mg | ||
9~13歳 | 45 mg | 45 mg | ||
14~18歳 | 75 mg | 65 mg | 80 mg | 115 mg |
19歳以上 | 90 mg | 75 mg | 85 mg | 120 mg |
*適正摂取量(AI)
ビタミンCの供給源
食品
果物と野菜は最もすぐれたビタミンCの供給源である(表2を参照)[12]。柑橘類、トマトおよびトマトジュース、じゃがいもは、米国の食生活におけるビタミンCの主な供給源である[8]。その他のすぐれた食品供給源として、赤ピーマンおよび緑ピーマン、キウイフルーツ、ブロッコリー、イチゴ、芽キャベツ、カンタロープメロンが挙げられる(表2を参照)[8,12]。ビタミンCは穀類には天然に存在しないが、一部の朝食用強化シリアルに添加されている。アスコルビン酸は水溶性で熱によって破壊されるため、食品のビタミンC含有量は長期保存や調理によって減少する可能性がある[6,8]。蒸し加熱や電子レンジの使用によって、調理による栄養損失を減らせる可能性がある。幸いなことに、果物や野菜などビタミンCを最も多く含む食品の多くは、通常、生で食べることがでる。1日に5種類の異なる果物と野菜を摂取することで、200mg以上のビタミンCを摂取することができる。
食品(1オンスは約28g、1カップは240ml) | 1回当たりの摂取量(mg) | %DV* |
---|---|---|
赤ピーマン、甘味種、生、1/2カップ(120ml) | 95 | 106 |
オレンジジュース、3/4カップ(180ml) | 93 | 103 |
オレンジ、中1個 | 70 | 78 |
グレープフルーツジュース、3/4カップ(180ml) | 70 | 78 |
キウイフルーツ、中1個 | 64 | 71 |
緑ピーマン、甘味種、生、1/2カップ(120ml) | 60 | 67 |
ブロッコリー、加熱調理、1/2カップ(120ml) | 51 | 57 |
イチゴ、生、薄切り、1/2カップ(120ml) | 49 | 54 |
芽キャベツ、加熱調理、1/2カップ(120ml) | 48 | 53 |
グレープフルーツ、中1/2個 | 39 | 43 |
ブロッコリー、生、1/2カップ(120ml) | 39 | 43 |
トマトジュース、3/4カップ(180ml) | 33 | 37 |
カンタロープメロン、1/2カップ(120ml) | 29 | 32 |
キャベツ、加熱調理、1/2カップ(120ml) | 28 | 31 |
カリフラワー、生、1/2カップ(120ml) | 26 | 29 |
じゃがいも、焼いたもの、中1個 | 17 | 19 |
トマト、生、中1個 | 17 | 19 |
ホウレンソウ、加熱調理、1/2カップ(120ml) | 9 | 10 |
グリーンピース、冷凍、加熱調理、1/2カップ(120ml) | 8 | 9 |
*DV = 1日摂取量。米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)は、消費者が総合的な食生活の中で、食品やダイエタリーサプリメントの栄養素の含有量を比較するためにDVを設定した。ビタミンCに対するDVは、成人と4歳以上の小児で90mgである[13]。FDAは、ビタミンCが食品に添加されていない限り、ビタミンCの含有量の表示を義務付けていない。DVの20%以上を含む食品は、その栄養素を多く含む供給源と考えられるが、DVの低い割合の食品も健康的な食生活に寄与している。
米国農務省(The U.S. Department of Agriculture:USDA)のFoodData Central [英語サイト]では、多くの食物の栄養素含有量をリストアップし、栄養素含有量別および食物別に整理された、ビタミンCを含む食物の総合リストを提供している。
ダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)
一般的なサプリメントは、アスコルビン酸の形態でビタミンCを含んでおり、これはオレンジジュースやブロッコリーなどの食品に含まれる天然アスコルビン酸と同等のバイオアベイラビリティー(生物学的利用能)を持っている[14-16]。ビタミンCサプリメントのその他の形態として、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウムおよびその他のアスコルビン酸無機塩、バイオフラボノイド配合アスコルビン酸、およびEster-C(アスコルビン酸カルシウム、デヒドロアスコルビン酸、トレオニン酸カルシウム、キシロン酸およびリキソン酸を含有)のような組み合わせ製品が挙げられる[17]。
ヒトを対象としたいくつかの研究では、さまざまな形態のビタミンCの間でバイオアベイラビリティが異なるかどうかが検証された。ある研究では、エスターCとアスコルビン酸は同じビタミンC血漿濃度を生成したが、摂取後24時間の白血球中のビタミンC濃度はエスターCが有意に高い値を示した [18]。別の研究では、アスコルビン酸、Ester-C、アスコルビン酸(バイオフラボノイド入り)の3種類のビタミンC源で、血漿中のビタミンC濃度および尿中へのビタミンCの排泄に差がないことが示された。[17]。著者らは、アスコルビン酸が比較的安価であることと相まって、これらの知見からサプリメントとしてのビタミンCの好ましい供給源は単一のアスコルビン酸であるという結論に達した[17]。

ビタミンCの摂取状況
2001~2002年の米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES)によると、ビタミンCの平均摂取量は成人男性で105.2mg/日、成人女性で83.6mg/日であり、ほとんどの非喫煙成人に対して現在設定されているRDAを満たしている[19]。1~18歳の小児と青年の平均摂取量は75.6mg/日から100mg/日までであり、これらの年齢層のRDAも満たしている[19]。2001~2002年のNHANESの解析には母乳栄養の乳幼児のデータは含まれていないが、母乳はビタミンCの十分な供給源と考えられている[8,14]。また、ビタミンCを含むサプリメントの使用も比較的多く、食品や飲料からのビタミンCの総摂取量に加算される。1999年~2000年のNHANESのデータは、成人の約35%がマルチビタミン(eJIMサイト内:一般向け・医療関係者向け)のサプリメント(一般的にビタミンCを含む)を摂取し、12%がビタミンC単独のサプリメントを摂取していることを示している[20]。1999~2002年のNHANESのデータによると、小児の約29%がビタミンCを含む何らかの形のダイエタリーサプリメントを摂取している[21]。
ビタミンCの状態は、一般的に血漿中のビタミンC濃度を測定することによって評価される[4,14]。白血球ビタミンC濃度などの他の測定法は、組織ビタミンCレベルより正確な指標となりうるが、評価がより困難であり、その結果も必ずしも信頼できるとは限らない[4,9,14]。
ビタミンCの欠乏
急性ビタミンC欠乏症は壊血病の原因となる[7,8,11]。壊血病の発症時期はビタミンCの体内蓄積量によって異なるが、ビタミンCをほとんどあるいはまったく摂取しなかった(10mg/日未満)場合は1カ月以内に徴候が現れる可能性がある[6,7,22,23]。初期症状は、倦怠感(おそらくカルニチン生合成が阻害された結果)、不調、および歯肉の炎症である[4,11]。ビタミンCの欠乏が進行すると、コラーゲン合成が損なわれ、結合組織が弱くなり、点状出血、斑状出血、紫斑、関節痛、創傷治癒の不良、過角化症、捻転毛が生じる[1,2,4,6-8]。壊血病のその他の徴候には、うつ病のほか、組織や毛細血管の脆弱性による歯茎の腫れや出血、歯のぐらつきや脱落がある[6,8,9]。鉄欠乏性貧血は、出血の増加やビタミンCの摂取不足による非ヘム鉄の吸収低下によっても起こりうる[6,11]。小児では、骨疾患がみられることもある[6]。壊血病を治療せずに放置すると、致死的である[6,9]。
18世紀末までは、ビタミンCをほとんど、あるいは全く摂取せずに、長い航海に出た船乗りの多くが壊血病にかかり、死亡していた。1700年代半ば、イギリス海軍の外科医であったジェームス・リンド卿が実験を行い、柑橘類の果物やジュースを摂ることで壊血病の治癒が可能であることを発見したが、科学者らがアスコルビン酸が活性成分であると証明したのは1932年であった[24-26]。
現在では、ビタミンC欠乏症および壊血病は、先進国ではまれである[8]。明らかな欠乏症状は、ビタミンCの摂取量が約10mg/日を何週間も下回った場合にのみ発症する[5-8,22,23]。ビタミンC欠乏症は先進国ではまれであるが、食品の種類が限られている人には依然として起こりうる。
ビタミンC不足のリスク群
ビタミンCの欠乏は、摂取量がRDAを下回るが明らかな欠乏症を防ぐのに必要な量(約10 mg/日)を上回る場合に生じる可能性がある。以下の群は、ビタミンCの摂取量が不足する危険性が他の群よりも高いとされている。
喫煙者および受動喫煙者
喫煙者は非喫煙者に比べて血漿および白血球のビタミンC濃度が低いことが研究で一貫して示されており、その一因は酸化ストレスの増加である[8]。このため、IOMは、喫煙者は非喫煙者に比べて1日35mg多くビタミンCを必要とすると結論付けている[8]。また、副流煙にさらされることも、ビタミンCの濃度を低下させる。IOMは日常的に副流煙に曝される非喫煙者のビタミンC必要量を具体的に設定することはできなかったが、これに該当する非喫煙者は、自分のビタミンC摂取量がRDAを満たしていることを確認する必要がある[4,8]。
濃縮乳または煮沸乳を与えられている乳児
先進国では、ほとんどの乳児が母乳や粉ミルクを与えられており、どちらも適切な量のビタミンCを供給している[8,14]。多くの理由から、乳児に濃縮または煮沸した牛乳を与えることは勧められない。牛乳に天然に含まれるビタミンCは極めて少ない上、ビタミンCは熱によって破壊されることから、ビタミンC欠乏症を発症するおそれがある[6,12]。
食品の種類に制限がある人
ビタミンCは野菜や果物が最も多く含まれているが、他の多くの食品にも微量ながら含まれている。したがって、多様な食事を通じて、ほとんどの人はビタミンCのRDAを満たすことが可能であるか、少なくとも壊血病を防ぐのに十分な量を得ることができるはずである。しかし、高齢者や自炊をしている貧困者、アルコールや薬物を乱用している人、フードファディズム(food faddism:メディアの食情報に熱狂しすぎる状態)の人、精神疾患のある人、そして時には小児など、食品の種類が限られている人は、十分なビタミンCを摂取できない可能性がある[4,6-9,11]。
吸収障害および特定の慢性疾患の人
一部の疾患では、ビタミンCの吸収が低下したり、身体が必要とする量が増加したりすることがある。重度の腸管吸収不良や悪液質の人、一部のがん患者は、ビタミンC不足のリスク(危険)が高まる可能性がある[27]。慢性的な血液透析を受けている末期腎疾患の患者でも、ビタミンCの濃度が低くなる可能性がある[28]。
ビタミンCと健康
ビタミンCは、抗酸化物質としての働きと免疫機能における役割から、多くの健康状態の予防や治療に役立つものとして奨励されている。ここでは、ビタミンCが関与する可能性のある4つの疾患および症状に焦点を当てている:がん(予防と治療を含む)、心血管疾患、加齢黄斑変性症(age-related macular degeneration:AMD)と白内障、そして風邪である。
がんの予防
疫学的なエビデンスによると、果物や野菜の消費量が多いほど、ほとんどの種類のがんのリスク(危険)が低いことが示唆されており、その理由の1つとして、ビタミンCの含有量が多いためと考えられている[1,2]。ビタミンCはin vivoでニトロソアミンなどの発がん物質の形成を制限し[2,29]、免疫反応を調節することができる上[2,4]、その抗酸化機能によってがんの原因となる酸化的損傷を減弱する[1]。
ほとんどの症例対照研究では、食事からのビタミンC摂取と肺がん、乳がん、結腸または直腸がん、胃がん、口腔がん、喉頭または咽頭がん、および食道がんとの間に逆相関があることが判明している[2,4]。また、がん患者の血漿中ビタミンC濃度は、対照群よりも低値となっている[2]。
しかし、前向きコホート研究から得られたエビデンスは一貫しておらず、おそらく研究間でビタミンCの摂取量が異なることが原因である。Nurses’ Health Study(看護師健康調査)に参加した33~60歳の女性82,234例から成るコホートでは、食品からのビタミンC摂取量が平均205 mg/日の群(最大5分位摂取群)では、平均70 mg/日の群(最小5分位摂取群)に比べて、乳がんの家族歴がある閉経前女性の乳がんリスク(危険)が63%低下した[30]。一方、Kushiらは、食品からのビタミンC摂取量が198mg/日以上(摂取量の五分位が最高)の閉経後女性では、87mg/日未満(摂取量の五分位が最低)の女性と比較して、乳がんリスク(危険)の有意な低下はみられなかった[31]。CarrおよびFreiによるレビューでは、がんリスク(危険)の有意な低下を報告していない前向きコホート研究の大多数において、ほとんどの参加者のビタミンC摂取量が比較的高く、最小5分位群でも86 mg/日を上回るという結論に達した[2]。有意ながんリスク(危険)低下を報告している研究では、ビタミンCの組織飽和量に近い範囲である80~110 mg/日以上を摂取している人に、摂取量とリスク(危険)低下との間の有意な関連性がみられた[2,22,32]。
ほとんどのランダム化臨床試験からのエビデンスは、ビタミンCの補給は、通常は他の微量栄養素との組み合わせで、がんリスク(危険)に影響を与えないことを示唆している。Supplémentation en Vitamines et Minéraux Antioxydants(SU.VI.MAX)研究は、ランダム化二重盲検プラセボ対照臨床試験で、13,017例のフランスの健康成人に、120mgアスコルビン酸、30mgビタミンE、6mgβ‐カロテン、100μgセレニウム、20mg亜鉛の抗酸化物質を補給するか、プラセボを投与した[33]。中央値7.5年間のフォローアップ後、抗酸化物質の補給は、男性ではがんの全発症率を低下させたが、女性では低下させなかった。さらに、ベースラインの抗酸化物質の状態は、男性ではがんリスク(危険)と関連していたが、女性ではそうではなかった[34]。Physicians' Health Study II(第二次医師健康調査)に参加した中高年男性において、500mg/日のビタミンCと400IUのビタミンEのサプリメントを一日おきに投与し、平均8年間のフォローアップを行ったところ、プラセボと比較して前立腺がんまたは全がんのリスク(危険)を低下させることはできなかった[35]。Women's Antioxidant Cardiovascular Study(女性の抗酸化物質に関する心臓血管調査)に参加した女性でも、同様の知見が報告された[36]。プラセボと比較して、ビタミンC(500mg/日)の平均9.4年間の補給は、全がん発症率またはがん死亡率に有意な効果はみられなかった。また、中国の臨川(Linxian)で実施された大規模介入試験では、ビタミンC(120 mg)とモリブデン(30 μg)を毎日5~6年間補給しても、食道がんまたは胃がんの発症リスク(危険)に有意な影響を与えなかった[37]。さらに、10年間のフォローアップ期間中、このサプリメント・レジメンは、食道がん、胃がん、その他のがんによる総罹患率や総死亡率に有意な影響を及ぼさなかった[38]。消化管がん予防のためのビタミンCおよびその他の抗酸化物質サプリメントに関する2008年のレビューでは、ビタミンC(またはβ-カロテン、ビタミンA、ビタミンE)が消化管がんを予防するという確実なエビデンスは得られなかった[39]。Coulterらによる同様のレビューでは、ビタミンCの補給は、ビタミンEと組み合わせても、健康な個人におけるがんによる死亡リスク(危険)には有意な効果を及ぼさないことが判明した[40]。
現時点では、食事によるビタミンCの摂取が、がんのリスク(危険)に影響を与えるかどうかについては、一貫したエビデンスはない。ほとんどの臨床試験の結果から、ビタミンCの適度な補給は単独でも他の栄養素との併用でも、がんの予防には効果がないことが示唆されている。
これらの研究の多くは、ビタミンC補給の前後でビタミンC濃度を測定していないため、その解釈には実質的な限界がある。ヒトの血漿中および組織中ビタミンC濃度は厳密にコントロールされている。1日に100mg以上摂取すると、細胞は飽和状態になり、200mg以上の摂取では、血漿中濃度はわずかに上昇するだけである[2,10,22,31,37]。参加者のビタミンC濃度が試験開始時にすでに飽和状態に近かった場合、補給しても測定されたアウトカムにはほとんど、あるいはまったく差がないと予想される [22,23,41,42]。
がん治療
1970年代、Cameron、Campbell、Paulingの研究により、高用量ビタミンCは末期がん患者の生活の質(Quality of Life:QOL)と生存時間に有益な効果をもたらすことが示唆された[43,44]。しかし、Mayo ClinicのMoertelらによるランダム化二重盲検プラセボ対照臨床試験[45]を含むその後のいくつかの研究では、これらの知見を支持するものではなかった。Moertelの研究では、10g/日のビタミンCを投与された進行大腸がん患者とプラセボを投与した患者とでは比較した結果に違いはみられなかった。進行がん患者におけるビタミンCの効果を評価した2003年のレビューの著者らは、ビタミンCは死亡率に有意な利益を与えないという結論を出した[40]。
新しい研究は、ビタミンCの投与経路(静脈内または経口)の違いによって結果の矛盾が説明可能であることを示唆している[1,46,47]。Moertelらが行ったものを含むほとんどの介入試験は経口投与のみを用いたが、Cameronらは経口と静脈内(intravenous:IV)投与を併用した。ビタミンCの経口投与は、極めて大量であっても血漿中ビタミンC濃度を最大で220μmol/Lまでしか上昇させないが、静脈内投与では血漿中濃度が26,000μmol/Lにもなる[47,48]。このレベルの濃度は、in vitroでは腫瘍細胞に選択的な細胞障害性を示す[1,67]。マウスを用いた研究では、薬理学的用量のビタミンCの静脈内投与は、治療が困難な腫瘍に対する治療効果が得られると示唆されている[49]。高濃度のビタミンCは、プロオキシダントとして作用し、がん細胞に対して選択的な毒性を持つ過酸化水素を生成する可能性がある [49-51]。これらの知見と、高用量ビタミンCの静脈内投与により著しく長い生存期間を得た進行がん患者のいくつかの症例報告に基づき、一部の研究者は、がん治療薬としての高用量ビタミンCの静脈内投与の再評価を支持している[3,47,49,52]。
以下で論じるように、ビタミンCおよびその他の抗酸化物質の補給が化学療法および/または放射線療法と相互作用する可能性については不明である[53]。したがって、これらの処置を受ける人は、特に高用量でビタミンCまたは他の抗酸化物質のサプリメントを摂取する前に、腫瘍医に相談する必要がある[54]。
心血管疾患
多くの疫学研究から、果物や野菜の摂取量が多いことは、心血管疾患のリスク(危険)低減と関連することが示唆されている[1,55,56]。この関連性は、低密度リポタンパク質の酸化的修飾を含む酸化的損傷が心血管疾患の主な原因であるため、これらの食品の抗酸化物質含有量に一部起因している可能性がある[1,4,56]。ビタミンCはその抗酸化作用に加え、単核球の血管内皮への付着性を低下させ、内皮依存的な一酸化窒素の産生および血管拡張を促し、血管平滑筋細胞のアポトーシスを減少させることで、アテローム性動脈硬化症におけるプラークの不安定化を防ぐことが示されている[2,57]。
ビタミンCの摂取と心血管系疾患のリスク(危険)との関連を検証した前向き研究の結果は、相反するものである[56]。85,118例の女性看護師を含む16年間の前向き研究であるNurses' Health Studyでは、食事とサプリメントの両方からのビタミンCの総摂取量は、冠動脈心疾患リスク(危険)と逆相関していた[58]。しかし、食事からのビタミンCの摂取だけでは有意な関連は示されず、ビタミンCのサプリメント使用者は冠動脈性心疾患のリスク(危険)が低い可能性があることが示唆された。これよりはるかに小規模の研究では、少なくとも300mg/日のビタミンCサプリメントを摂取している糖尿病の閉経後女性では、心血管疾患死亡率が上昇することが示された[59]。
イギリスの成人20,649例を対象とした前向き研究では、ベースラインの血漿中ビタミンC濃度が上位4分の1の人は、下位4分の1の人に比べて脳卒中のリスク(危険)が42%低いことが明らかになった [60]。Physicians’ Health Study(医師健康調査)に参加した男性医師では、ビタミンCサプリメントを平均5.5年間使用しても、心血管障害の全死亡率や冠動脈心疾患による全死亡率に有意な減少はみられなかった[61]。ベースラインで冠動脈心疾患のない参加者293,172例を含む9件の前向き研究のプール解析では、700mg/日以上のビタミンCのサプリメントを摂取した人は、サプリメントのビタミンCを摂取しない人に比べて冠動脈心疾患発症リスク(危険)が25%低いことがわかった[62]。2008年に前向きコホート研究(中央値10年間のフォローアップのビタミンC摂取に関する14件の研究を含む)のメタアナリシスを実施した著者らは、サプリメントではなく食事によるビタミンC摂取が冠動脈心疾患リスク(危険)と逆の相関にあるという結論に達した[55]。
ほとんどの臨床介入試験の結果では、ビタミンCの補給が心血管系疾患の一次予防または二次予防に有益であることを示さなかった。40歳以上の心血管疾患の既往を持つ女性8,171例が参加した二次予防試験であるWomen's Antioxidant Cardiovascular Studyでは、500mg/日のビタミンCを平均9.4年間補給しても、心血管イベントに対する全体的効果が認められなかった[63]。同様に、Physicians' Health Study IIに登録された男性医師において、ビタミンC(500mg/日)を補給し、平均8年間のフォローアップを行ったところ、主要な心血管イベントに対する効果はみられなかった[64]。
他の臨床試験では、一般に、ビタミンCとビタミンEやβ‐カロテンなどの他の抗酸化物質を組み合わせたサプリメントの心臓血管疾患に対する効果が検証されており、ビタミンCの潜在的な寄与を分離することはより困難になっている。SU.VI.MAX研究では、一般集団のフランス成人13,017例を対象にビタミンC(120mg/日)、ビタミンE(30mg/日)、β‐カロテン(6mg/日)、セレニウム(100μg/日)および亜鉛(20mg/日)の併用を検証した[33]。中央値で7.5年のフォローアップ後、複合サプリメントは、男女とも虚血性心血管疾患に対する効果はみられなかった。15%~75%の冠動脈狭窄を少なくとも1つ持つ閉経後の女性423例が参加したWomen's Angiographic Vitamin and Estrogen (WAVE) 研究では、ビタミンC 500 mgとビタミンE 400 IUを1日2回摂取するサプリメントは、プラセボと比較して、心血管系の利益をもたらさないばかりか、全死亡率が著しく増加した[65]。
2006年のランダム化比較試験のメタアナリシスの著者らは、抗酸化サプリメント(ビタミンC、E、β-カロテンまたはセレニウム)は動脈硬化の進行に影響を与えないと結論づけた[66]。同様に、心血管疾患の予防と治療におけるビタミンCの効果に関するシステマティックレビューでは、ビタミンCは心血管疾患の予防に好ましい効果が得られないことが判明した[67]。その後、研究者らは、中国で実施された集団栄養介入試験であるLinxian試験のフォローアップデータを報告している[38]。この試験では、毎日のビタミンCサプリメント(120 mg)とモリブデン(30 μg)を5~6年間摂取することにより、積極的介入終了後の10年間のフォローアップ期間中に脳血管死のリスク(危険)が8%有意に減少した。
Linxian試験のデータは有益性の可能性を示唆しているが、全体として、ほとんどの介入試験から得られた知見は、ビタミンCサプリメントが心血管系疾患に対する保護、またはその罹患率や死亡率の減少をもたらすという説得力のあるエビデンスを提供してはいない。しかし、がん予防の項で述べたように、ビタミンCの臨床試験データは、ヒトではビタミンCの血漿および組織濃度が厳密にコントロールされているという事実によって制限されている。参加者のビタミンC濃度が試験開始時にすでに飽和状態に近かった場合、補給しても測定されたアウトカムにはほとんど、あるいはまったく差がないと予想される [22,23,41,42]。
加齢黄斑変性症(age-related macular degeneration:AMD)と白内障
AMDと白内障は、高齢者における視力低下の主要な原因の2つである。酸化ストレスは、この2つの疾患の病因に関与している可能性がある。そのため、研究者らは、ビタミンCやその他の抗酸化物質がこれらの疾患の発症や治療に関与していると仮定している。
オランダで行われた集団ベースのコホート研究では、55歳以上の成人で、ビタミンC、β‐カロテン、亜鉛、ビタミンEを食事から多く摂取している人は、AMDのリスク(危険)が低いことがわかった[68]。しかし、ほとんどの前向き研究は、これらの知見を支持していない[69]。2007年に行われた前向きコホート研究およびランダム化臨床試験のシステマティックレビューおよびメタアナリシスの著者らは、ビタミンCおよび抗酸化サプリメントを含むその他の抗酸化物質の早期AMDの一次予防における役割は、現在のところ支持されないと結論づけた[70]。
研究では、抗酸化物質がAMDの発症に関与していることは示されていないが、抗酸化物質がAMDの進行を遅らせるのに役立つ可能性を示唆するエビデンスもある[71]。大規模なランダム化プラセボ対照臨床試験である加齢性眼疾患研究(Age-Related Eye Disease Study:AREDS)では、AMDの程度が異なる高齢者3,597例を対象に、高用量の抗酸化物質(ビタミンC 500mg、ビタミンE 400IU、β‐カロテン 15mg、亜鉛 80mg、銅 2mg)の進行性AMD発症への影響を評価した[72]。平均6.3年のフォローアップ期間後、進行性AMDの発症リスク(危険)が高い参加者(すなわち、中程度のAMDまたは片目に進行性AMDを持つ参加者)が抗酸化サプリメントを受けた場合、プラセボを受けた参加者に比べて進行性AMDに進行するリスク(危険)が28%低かった。AREDS2研究のフォローアップでは、この有用性が確認されるとともに、同様の配合のサプリメントによって、中央値5年間のフォローアップでAMDの進行が抑制された[73]。
ビタミンCの高い食事摂取量と高い血漿アスコルビン酸濃度は、いくつかの研究において白内障形成の低いリスク(危険)と関連している[2,4]。日本で実施された5年間の前向きコホート研究において、45~64歳の成人30,000例以上のコホートにおいて、食事からのビタミンC摂取量が多いことは白内障発症のリスク(危険)低減と関連していた[74]。2件の症例対照研究の結果から、ビタミンCの摂取量が300mg/日を超えると、白内障形成のリスク(危険)が70~75%減少することが示されている[2,4]。一方、ビタミンCのサプリメントの使用は、49~83歳のスウェーデン人女性24,593例のコホートにおいて、加齢による白内障摘出のリスク(危険)を25%高くすることと関連していた[75]。これらの知見は、比較的高用量のビタミンCサプリメント(約1,000mg/日)を摂取した研究参加者に適用され、ビタミンCの含有量がかなり少ない(約60mg/日)マルチビタミンを摂取した研究参加者には当てはまらなかった。
臨床試験で得られたデータは限定的である。ある研究では、中国の成人がビタミンC120mgとモリブデン30μgのサプリメントを毎日5年間摂取しても、白内障のリスク(危険)は有意に低くならなかった [76]。しかし、180 mgのビタミンCと30 μgのモリブデンに他の栄養素を組み合わせたマルチビタミン/ミネラルサプリメントを摂取した65~74歳の成人では、プラセボを摂取した成人と比べ、核性白内障の発症リスク(危険)が43%有意に低下した[76]。AREDS研究において、ビタミンC 500mg、ビタミンE 400IU、およびβ‐カロテン15mgのサプリメントを平均6.3年間摂取した高齢者は、プラセボを摂取した者と比較して、白内障発症または白内障進行のリスク(危険)に有意な低下はみられなかった[77]。AREDS2研究でも500mgのビタミンCを含む製剤が試験され、これらの知見が確認された[78]。
全体として、AREDS研究で用いられた製剤によってAMDの進行が遅延する可能性があることを一部のエビデンスが示唆しているものの、現在入手されている一部のエビデンスは、ビタミンCの単独での摂取または他の抗酸化物質との併用がAMDの発症リスク(危険)に影響を及ぼすことは示していない。
風邪
1970年代、ライナス・ポーリングは、ビタミンCが風邪の治療および/または予防に成功することを示唆した[79]。このテーマに対する一般市民の関心は依然として高いものの、その後実施された対照研究の結果は矛盾しており、混乱と論争を引き起こしてきた[80,81]。
2007年のコクランレビューでは、200 mg/日以上のビタミンCを予防的治療として継続して、または風邪症状が発現した後に使用したプラセボ対照試験について検討した[81]。ビタミンCの予防的使用は、一般集団における風邪の発症リスク(危険)を有意に減少させなかった。しかし、マラソンランナー、スキーヤー、極端な運動や寒冷環境にさらされる兵士を対象とした試験では、250mg/日から1g/日までの用量のビタミンCの予防的使用により、風邪の発症を50%減少させた。一般集団では、ビタミンCの予防的な使用により、風邪の持続時間が成人で8%、小児で14%、わずかに減少した。風邪の症状が現れてからビタミンCを摂取した場合、風邪の持続時間や症状の重症度には影響を与えなかった。
全体として、現在までのところ、200mg/日以上のビタミンCの定期的な摂取は、一般集団における感冒の発症を減少させないが、極度の運動や寒冷環境にさらされる人、高齢者や慢性喫煙者など、ビタミンCの状態が限界にある人にはその摂取が役立つ可能性があることを示唆している[81-83]。ビタミンCのサプリメントの使用は、一般集団において風邪の期間を短縮し、症状の重症度を改善する可能性があるが[80,83]、これはおそらく高用量のビタミンCの抗ヒスタミン作用によるものである[84]。しかし、風邪症状の発現後にビタミンCを摂取しても、効果はないようである[81]。

ビタミンC過剰摂取による健康上のリスク
ビタミンCの毒性は低く、大量に摂取しても重篤な有害作用はないと考えられている[8]。最も多く訴えられる症状は、消化管内における未吸収のビタミンCの浸透圧に起因する下痢、悪心、腹部仙痛およびその他の胃腸障害である[4,8]。
Iowa Women's Health Studyに参加した糖尿病の閉経後女性では、(食事ではない)ビタミンCの補給(少なくとも300mg/日)は、心血管疾患死亡のリスク(危険)上昇と有意に関連していた[59]。これが正しいとしても、その作用メカニズムは明らかではない。また、この知見は疫学研究に参加した患者のサブグループから得られたものである。他の疫学研究ではこのような関連は観察されていないため、この知見の有意性は明らかにされていない。また、ビタミンCの高摂取は、特に腎障害患者において、腎結石の原因と考えられる尿中シュウ酸や尿酸排泄量を増加させる可能性がある[8]。しかし、30mgから10g/日までのビタミンC摂取による尿中シュウ酸塩排泄への影響を評価した研究では、相反する結果が得られており、ビタミンCが実際に腎臓結石の発症に関与しているかどうかは明らかでない[8,85-87]。ビタミンCの腎臓結石形成への関与に関する最も有力なエビデンスは、高シュウ酸尿症を基礎疾患に持つ患者で得られたものである [23]。
ビタミンCが非ヘム鉄の吸収を増強することから、ビタミンCの高摂取が過剰な鉄吸収を引き起こす可能性について理論的な懸念がある。これについては、健康な人では懸念の必要はないと思われる [8]。しかし、遺伝性ヘモクロマトーシ患者では、大量のビタミンCを慢性的に摂取すると、鉄過剰症を悪化させ、組織障害を引き起こす可能性がある [4,8]。
特定の条件下では、ビタミンCはプロオキシダントとして作用し、酸化的損傷を助長する可能性がある [8]。いくつかのin vitroの研究では、プロオキシダントとして作用することにより、ビタミンCの経口補給は染色体および/またはDNAの損傷を引き起こし、おそらく、がんの発症に寄与することが示唆されている[8,88,89]。しかしながら、他の研究では、ビタミンCの高摂取による酸化的損傷の増加やがんリスク(危険)の増加は示されていない[8,90]。
その他、ビタミンCの高摂取による影響として、ビタミンB12および銅濃度の低下、アスコルビン酸の代謝または排泄の促進、歯のエナメル質の侵食、アレルギー反応などが報告されている[8]。しかし、これらの結論のうちの少なくともいくつかは、測定時の人為的結果によるものであり、その後さらに実施された研究では、これらの知見は確認されなかった[8]。
FNBは、食品とサプリメントの両方の摂取に適用されるビタミンCのULを制定した(表3)[8]。ULより高用量のビタミンCを長期間摂取した場合は、健康上の有害な作用を生じるリスク(危険)が高くなる可能性がある。ULは、治療のためにビタミンCを摂取している人には適用されないが、このような人は、医師の監督下での摂取が必要となる[8]。
年齢 | 男性 | 女性 | 妊娠 | 乳婦 |
---|---|---|---|---|
生後0~12カ月 | 設定不可* | 設定不可* | ||
1~3歳 | 400 mg | 400 mg | ||
4~8歳 | 650 mg | 650 mg | ||
9~13歳 | 1,200 mg | 1,200 mg | ||
14~18歳 | 1,800 mg | 1,800 mg | 1,800 mg | 1,800 mg |
19歳以上 | 2,000 mg | 2,000 mg | 2,000 mg | 2,000 mg |
*乳児のビタミンC供給源は調製粉乳および食物のみとすべきである。
医薬品との相互作用
ビタミンCサプリメントは、一部の種類の医薬品と相互作用する可能性がある。以下に例を記載する。定期的にこれらの医薬品を服用している人は、ビタミンC摂取について今かかっている医療機関に相談する必要がある。
化学療法および放射線療法
がん治療中にビタミンCやその他の抗酸化物質を使用することの安全性と有効性については、議論の余地がある[53,91,92]。抗酸化物質が放射線療法やシクロホスファミド、クロラムブシル、カルムスチン、ブスルファン、チオテパ、ドキソルビシンなどの化学療法薬の作用から腫瘍細胞を保護する可能性を示すデータもある。しかし、これらのデータの少なくともいくつかは、研究デザインが乏しいために批判されている[52]。他のデータでは、抗酸化物質が化学療法や放射線による損傷から正常組織を保護し[91,93]、従来のがん治療の効果を高める可能性が示唆されている[95]。しかしながら、ビタミンCは生理学的に厳密にコントロールされているため、ビタミンCの経口サプリメントが、示唆される効果をもたらすのに十分なビタミンC濃度に変化させることが可能であるかについては明らかになっていない。化学療法または放射線療法を受けている人は、ビタミンCまたは他の抗酸化サプリメントを、特に高用量で摂取する前に、がん専門医に相談する必要がある[54]。
3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル・コエンザイムA還元酵素阻害剤(スタチン)
ビタミンCは、他の抗酸化物質と組み合わせて、ナイアシン・シンバスタチン(Zocor)併用療法による高密度リポタンパク質レベルの上昇を抑制する可能性がある[96,97]。この相互作用が他の脂質調整レジメンで起こるかどうかは不明である[54]。医療従事者は、スタチンと抗酸化サプリメントの両方を服用している患者の脂質レベルを監視する必要がある[54]。
ビタミンCと健康的な食生活
連邦政府の「2020-2025年版 米国の食事指針」では、「食品は健康に役立つさまざまな栄養素やその他の成分を提供するため、栄養ニーズは主に食品を通して満たすべきである。…場合によって、強化食品やダイエタリーサプリメントは、他の方法では1つまたは複数の栄養素の必要量を満たすことができない場合(例えば、妊娠などの特定のライフステージ)に有用である。」と記されている。健康的な食生活の構築についての詳細は、「米国の食事指針(Dietary Guidelines for Americans)[英語サイト]」と米国農務省の「私の食事(MyPlate)」[英語サイト]をご覧ください。
「米国の食事指針」では、健康的な食生活を以下のように説明している。
- さまざまな野菜、果物、穀物(少なくとも半分が全粒粉)、無脂肪および低脂肪の牛乳、ヨーグルト、チーズ、油脂を含む。
- 果物、特に柑橘類、果汁および野菜は優れたビタミンC源である。一部のインスタント朝食シリアルにはビタミンCが強化されたものもある。
- 赤肉、鶏肉、卵、魚介類、豆・エンドウ・レンズ豆、ナッツ・種子、大豆製品など、さまざまなタンパク質食品を含む。
- 糖分、飽和脂肪、ナトリウムを多く含む食品や飲料を制限する。
- アルコール飲料を制限する。
- 1日に必要なカロリーの範囲内に収まっている。
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更新日:2025年6月19日
監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日
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