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ビタミンAとカロテノイド
Vitamin A and Carotenoids

- 写真に掲載している食材の成分表一覧
[補足]
本文中の必要摂取量、推奨摂取量、上限値・下限値等は米国人を対象としたデータです。日本人に関するデータについては「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」などをご参照ください。
日本人の食事摂取基準(厚生労働省)
本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。
英語版最終アクセス確認日:2024年12月
このファクトシートは医療関係者向けです。一般的な概要については、「一般向けファクトシート」をご覧ください。
はじめに
ビタミンAは、主にレチノールとレチニルエステルからなる脂溶性レチノイドの総称である[1,2]。ビタミンAは、免疫機能、細胞間コミュニケーション、成長と発達、そして男性と女性の生殖機能に関与している[1-3]。ビタミンAは細胞の成長と分化をサポートし、心臓、肺、目、およびその他の臓器の正常な形成と維持に重要な役割を果たしている[1,2]。ビタミンAは、目に入ってくる光に反応する網膜の光感受性タンパク質であるロドプシンの必須成分として、また結膜膜と角膜の正常な分化と機能を維持するため、視覚にとっても極めて重要となる[2,4]。
人の食事には、ビタミンAの2つの供給源がある。それは、既成(プレフォームド)ビタミンA(レチノールおよびレチニルエステル)およびプロビタミンAカロテノイドである[1,5]。既成ビタミンAは、乳製品、卵、魚、内臓肉などの動物性由来の食品に含まれる[1,2]。プロビタミンAカロテノイドは、β-カロテン、α-カロテン、βクリプトキサンチンなどを含む植物色素である[1]。プロビタミンAカロテノイドは、腸内で酵素β-カロテンモノオキシゲナーゼ1型(beta-carotene monooxygenase type 1:BCMO1)の働きによりビタミンAに変換されるが[1,3,6]、変換率には遺伝的な個人差がある可能性がある[7,8,9]。リコピン、ルテイン、ゼアキサンチンなどの食品に含まれるその他のカロテノイドはビタミンAに変換されず、非プロビタミンAカロテノイドと呼ばれている。これらはビタミンAの形成に関与しない他の重要な作用を持つ可能性がある[1]。
さまざまな形態のビタミンAは、腸管内腔でミセルに可溶化され、十二指腸粘膜細胞によって吸収される[5]。レチニルエステルとプロビタミンAカロテノイドは、腸管内腔への取り込み(レチニルエステルの場合)または吸収(プロビタミンAカロテノイドの場合)後にレチノールに変換される。レチノールは次に酸化されてレチナールとレチノイン酸となり、これらは体内でビタミンAの2つの主要な活性代謝物となる[1]。体内のビタミンAのほとんどは、レチニルエステルという形態で肝臓に蓄えられている[1]。
レチノールとカロテノイドのレベルは、採血が容易であるため、通常は血漿または血清で測定される[1]。しかし、これらのレベルは、肝臓やその他の貯蔵部位のビタミンAレベルがほぼ枯渇するまで低下しないことや、急性および慢性感染症により血漿および血漿レチノール濃度が低下する可能性もあるため、ビタミンAの状態を必ずしも正確に反映する指標とはならない。[1]体内のビタミンAの大部分は肝臓に貯蔵されているため、ビタミンAの充足度を評価するには肝臓のビタミンAレベルを測定するのが最善の方法である[1]。臨床研究では、専門の研究施設においてアイソトープ希釈法や用量反応法を用いて、ビタミンA投与後の数日間にわたってレチノール(トレーサー代用物質)の血漿レベル、あるいはその両方を測定することで、間接的に肝臓のビタミンA貯蔵量を測定することが可能である [1]。
臨床現場では、血漿レチノールレベルだけで重大な欠乏症を証明することが可能である。血清または血漿レチノール濃度が20 μg/dL(0.70マイクロモル/L)以下の場合、中程度のビタミンA欠乏症を反映していることが多く、10 μg/dL(0.35マイクロモル/L)以下の場合、重度のビタミンA欠乏症の指標であると考えられている[1]。
推奨摂取量
ビタミンAおよびその他の栄養素の推奨摂取量は、全米科学・工学・医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine) の食品・栄養委員会(Food and Nutrition Board:FNB)が策定した食事摂取基準(Dietary Reference Intakes:DRI)に記載されている[5]。DRIは、健康な人の栄養摂取の計画と評価に関する一連の基準値に対する総称である。これらの基準値は年齢や性別によって異なり、次のような項目がある。
- 推奨所要量(推奨量、Recommended Dietary Allowance、RDA):ほぼすべて(97%~98%)の健康な人の栄養所要量を満たすのに十分な1日あたりの平均摂取量であり、個人の栄養的に適切な食事を計画する際によく用いられる。
- 適正摂取量(目安量、Adequate Intake:AI):このレベルの摂取は、栄養の適切性を確保するために想定されており、RDAを策定するためのエビデンス(科学的根拠)が不十分な場合に設定される。
- 推定平均必要量(Estimated Average Requirement:EAR):健康な人の50%の必要量を満たすと推定される1日の平均摂取量。通常、集団の栄養摂取量を評価し、栄養的に適切な食事を計画するために使用される。また、個人の栄養摂取量の評価にも使用可能である。
- 許容上限摂取量(上限量、Tolerable Upper Intake Level:UL):健康への悪影響はないと思われる1日の最大摂取量
ビタミンAのRDAは、レチノールとプロビタミンAカロテノイドの生物活性の違いを考慮し、レチノール活性当量(RAE)として与えられている。レチノールはすべて体内でレチノールに変換される(表1参照)。1 μgのRAEは、1 μgのレチノール、2 μgのサプリメントβ-カロテン、12 μgの食品由来β-カロテン、または24 μgの食品由来α-カロテンまたはβ-クリプトキサンチンに相当する[5]
年齢 | 男性 | 女性 | 妊娠 | 乳婦 |
---|---|---|---|---|
誕生0~6カ月* | 400 µg RAE | 400 µg RAE | ||
生後7~12カ月* | 500 µg RAE | 500 µg RAE | ||
1〜3歳 | 300 µg RAE | 300 µg RAE | ||
4~8歳 | 400 µg RAE | 400 µg RAE | ||
9~13歳 | 600 µg RAE | 600 µg RAE | ||
14~18歳 | 900 µg RAE | 700 µg RAE | 750 µg RAE | 1,200 µg RAE |
19〜50歳 | 900 µg RAE | 700 µg RAE | 770 µg RAE | 1,300 µg RAE |
51歳以上 | 900 µg RAE | 700 µg RAE |
*適正摂取量(AI)は、健康な母乳栄養児におけるビタミンA平均摂取量に相当する。
ビタミンAの測定単位は現在、μg RAEであるが、以前は国際単位(IU)が使用されていた[10]。μg RAEとIUの変換率は以下のとおりである[11-13]:
- 1 IU レチノール= 0.3 μg RAE
- 1 IU サプリメント由来β-カロテン = 0.3 μg RAE
- 1 IU食品由来β-カロテン = 0.05 μg RAE
- 1 IU α-カロテンまたはβ-クリプトキサンチン = 0.025 μg RAE
RAEは、ビタミンAの供給源がわかっている場合にのみ、直接IUに変換することが可能である。例えば、食品またはサプリメントが既成ビタミンA(レチノール)である場合は、青年および成人男性における900 μg RAEのRDAは3,000IUに相当する。このRDAは、食品由来のβ-カロテンの18,000IUに、また、食品由来のα-カロテンまたはβ-クリプトキサンチンの36,000IUに相当する。したがって、900μgのRAEを含む混合の食事は、摂取する食品によって3,000から36,000IUのビタミンAを供給する。
ビタミンAの供給源
食品
既成ビタミンA含有量が最も多い食品はレバー、魚、卵、そして乳製品である[1]。米国の食事に含まれるプロビタミンAのほとんどは、葉物野菜、オレンジや黄色の野菜、トマト製品、果物、一部の植物油から摂取されている[1,5,14]。ビタミンAは、牛乳やマーガリンなど、一部の食品に日常的に添加されている[1,2]。一部の即席シリアルにもビタミンAが添加されている。
米国やその他の高所得国では、消費されるビタミンAの約65~80%が既成ビタミンAであるのに対し、低所得国では、植物性食品を多く含む食事が一般的であるため、プロビタミンAが主な摂取形態となっている[2,15]。米国の小児や青年期の人では、濃縮・強化食品が食品からのビタミンA摂取量の34~40%を占めている[16]。
レチノールは最大75~100%、食品中のβ-カロテンはほとんどの場合10~30%が体内に吸収される可能性がある[17,18]。調理や加熱処理により、食品中のβ-カロテンの生物学的利用能が増加する可能性がある[19]。
表2は、さまざまな食品と、その1食あたりのビタミンA含有量を記載している。表2の動物性由来の食品には主に既成ビタミンA、植物性食品にはプロビタミンAが、また、動物と植物の両方が原料の食品には既成ビタミンAとプロビタミンAの両方が含有されている。
食品(1オンスは約28g、1カップは240ml) | 1回当たりの摂取量(mg) | %DV* |
---|---|---|
牛レバー、焼いたもの、3オンス(約85g) | 6,582 | 731 |
サツマイモ、皮つきで加熱、1本 | 1,403 | 156 |
ホウレンソウ、冷凍、茹で、1/2カップ(120ml) | 573 | 64 |
カボチャパイ、市販、1切れ | 488 | 54 |
ニンジン、生、1/2カップ(120ml) | 459 | 51 |
ニシン、大西洋産、酢漬け、3オンス(240g) | 219 | 24 |
アイスクリーム、フレンチバニラ、ソフトクリーム、2/3カップ(160ml) | 185 | 21 |
牛乳、スキムミルク、ビタミンAおよびD添加、1カップ(240ml) | 149 | 17 |
カンタロープメロン、生、1/2カップ(120ml) | 135 | 15 |
チーズ、リコッタ、一部スキムミルク、1/2カップ(120ml) | 133 | 15 |
ピーマン、甘味種、赤、生、1/2カップ(120ml) | 117 | 13 |
マンゴー、生、1個 | 112 | 12 |
朝食用シリアル類、ビタミンAの1日摂取量10%添加、1食分 | 90 | 10 |
卵、固ゆで、Lサイズ1個 | 75 | 8 |
ササゲ、茹で、1カップ(240ml) | 66 | 7 |
アプリコット(アンズ)、乾燥、硫黄剤添加、5個 | 63 | 7 |
ブロッコリー、茹で、1/2カップ(120ml) | 60 | 7 |
鮭、紅サケ、加熱調理、3オンス(約85g) | 59 | 7 |
トマトジュース、缶詰、3/4カップ(180ml) | 42 | 5 |
ヨーグルト、プレーン、低脂肪、1カップ(240ml) | 32 | 4 |
マグロ、低カロリー、オイル漬缶、油切り、3オンス(約85g) | 20 | 2 |
ベイクドビーンズ(インゲン豆を甘辛いソースで調理した料理)、プレーンまたはベジタリアン用缶詰、1カップ(240ml) | 13 | 1 |
ペポカボチャ、種類を問わず、茹で、1/2カップ(120ml) | 10 | 1 |
鶏肉、むね皮付き、加熱、1/2枚 | 5 | 1 |
ピスタチオ、炒り、1オンス(30g) | 4 | 0 |
*DV = 1日摂取量。米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)は、消費者が総合的な食生活の中で、食品やダイエタリーサプリメントの栄養素の含有量を比較するためにDVを設定した。ビタミンAのDVは、成人および4歳以上の小児で900 μg RAEである[11]。(1 μg RAE=レチノール1 μg、サプリメントからのβ-カロテン2 μg、食品からのβカロテン12 μg、α‐カロテン24 μg、またはβ-クリプトキサンチン24 μg。)FDAは、ビタミンAが食品に添加されていない限り、ビタミンAの含有量の表示を義務付けていない。DVの20%以上を含む食品は、その栄養素を多く含む供給源と考えられるが、DVの低い割合の食品も健康的な食生活に寄与している。
米国農務省(The U.S. Department of Agriculture:USDA)の「FoodData Central[英語サイト]」では、さまざまな食品の栄養成分が掲載されており、ビタミンAを含む食品の詳細なリストが、栄養成分別および食品名別に整理されている。
ダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)(eJIMサイト内:一般向け・医療関係者向け)
ビタミンAは単独のサプリメントやほとんどのマルチビタミン(eJIMサイト内:一般向け・医療関係者向け)に含有されており、既成ビタミンAの酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル、プロビタミンAのβ-カロテン、またはこれらの組み合わせの形態で摂取されることが多い [1,21]。サプリメントに含まれるビタミンAの量はさまざまだが、3,000 μg RAE(DVの333%)が一般的である[21]。マルチビタミンの場合、一般的にやや少ない量であり、750~1,050 μg RAE(DVの83~117%)であることが多い。
サプリメントからの既成ビタミンAエステルの吸収率は70~90%であり、β-カロテンの吸収率は8.7~65%である [19,22]。

ビタミンAの摂取状況
米国における食品および飲料からのビタミンAの1日平均摂取量は、2017~2018年の米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES)によると、20歳以上の男性では682 μg RAE、女性では616 μg RAEであった [23]。2~19歳の小児の場合、食品および飲料からのビタミンAの平均摂取量は1日あたり497~680 μg RAEであった。2003~2006年のNHANESデータに基づく生化学データの解析では、米国人口の1%未満が血清レチノール値20 mcg/dL未満であることが示されており、これは米国人口においてビタミンA欠乏症はまれであることを示している [24]。
1988~1994年にかけて実施されたNHANES IIIのデータによると、米国で男性が摂取したRAEに含まれるビタミンAの約26%、女性が摂取したRAEに含まれるビタミンAの約34%がプロビタミンAカロテノイドに由来することが示されている[5]。残りは、主にレチニルエステルの形態で存在する既成ビタミンAに由来する。
米国では、年齢によって異なるが、人口の約12~40%がビタミンAを含有するサプリメントを使用している [25]。71歳以上の成人および9歳以下の小児は、他の年齢層よりもビタミンAを含むサプリメントを摂取する傾向がある。
ビタミンA欠乏症
米国では真性ビタミンA欠乏症は稀である。しかし、多くの発展途上国では、貧困や伝統的な食生活のために、動物性食品由来の既成ビタミンAやプロビタミンAカロテノイドを含む食品へのアクセスが限られているため、ビタミンA欠乏症はまだ一般的に見られる [1,26]。低所得および中所得の138カ国における集団ベースの調査のプール解析によると、2013年の時点で生後6カ月~5歳までの小児の29%がビタミンA欠乏症であることがわかった [27]。欠乏率が最も高かったのは、サハラ以南のアフリカ(48%)と南アジア(44%)であった。さらに、低所得国では、妊婦の約10~20%がビタミンA欠乏症である。 [28]
限られた研究では、ビタミンA欠乏症は、β-カロテンからビタミンAへの変換率における遺伝的多様性によっても影響を受ける可能性が示唆されている。BCMO1遺伝子における特定の多型は、ヒトにおけるBCMO1酵素の活性を低下させることがわかっている[8,9]。また、フィリピンにおける693人の小児と青少年を対象とした研究では、ビタミンAの状態とBCMO1遺伝子におけるA379V Tt変異との間に逆相関が見出された [7]。
ビタミンA欠乏症の最も一般的な臨床症状は眼球乾燥症である。これは、血漿レチノール値が低下し、眼のビタミンA貯蔵量が枯渇した後に発症する。最初の兆候は夜盲症、つまり網膜内のロドプシン量が低下した結果、薄暗い場所や暗闇で物が見えなくなることである [1,27,28]。また、眼球乾燥症は角膜にも影響を及ぼし、最終的には永久的な失明につながる可能性もある。ビタミンA欠乏症は、予防可能な小児の失明の主な原因のひとつである [28]。
慢性的なビタミンA欠乏症は、異常な肺の発達、呼吸器疾患(肺炎など)、貧血および死亡のリスク(危険)の増加とも関連している [26,27,29]。
慢性的なビタミンA欠乏症のもう一つの影響として、感染症(特に麻疹や感染性下痢症)の重症化と死亡リスク(危険)の増加が挙げられる [26]。2013年には、低・中所得国において、ビタミンA欠乏症が原因で94,500人の小児が下痢により死亡し、11,200人が麻疹により死亡した[27]。ビタミンA欠乏症に起因する死亡の95%以上はサハラ以南のアフリカとアジアで発生しており、これらの地域ではビタミンA欠乏症は5歳未満の小児の全死亡原因の2%を占めている[27]。
ビタミンA不足のリスク群
以下のグループは、ビタミンAの摂取量が不十分である可能性が最も高いグループである。
早産児
早産児は出生時に肝臓に貯蔵されているビタミンAが少なく、多くの場合、1歳になるまで血漿中レチノール濃度が低い状態が続く[30,31]。ビタミンA欠乏症の早産児は、眼疾患や慢性肺疾患になるリスク(危険)が高い [32,33]。しかし、高所得国では、臨床的なビタミンA欠乏症は乳児には稀で、吸収不良障害のある乳児にのみ見られる [34]。
低・中所得国の乳幼児、小児、妊娠中・授乳中の人
妊婦は、胎児の成長と組織の維持、および自身の代謝をサポートするために、ビタミンAを多めに摂取する必要がある [35-37]。ビタミンAを十分に摂取している授乳中の人の母乳には、生後6カ月間、乳児のビタミンA必要量を満たすのに十分な量のビタミンAが含まれている [38]。しかし、ビタミンA欠乏症の人では、母乳のみで育っている乳児のビタミンA貯蔵量を十分に維持するには、母乳中のビタミンA含有量は十分ではない[38]。
世界保健機関(World Health Organization:WHO)によると、アフリカと東南アジアを中心に、就学前児童の約1億9000万1億9000万人人(この年齢層の全児童の3分の1)がビタミンA欠乏症であるという[27,39]。これらの児童は、視覚障害のリスク(危険)が高く、麻疹や下痢性疾患の原因となる感染症などの小児感染症による病気や死亡のリスク(危険)も高い [1,39]。
WHOは、低・中所得国を中心に、世界中で 980 万 980万人(全妊娠者の15%)がビタミンA欠乏症による眼球乾燥症を患っていると推定している [40]。
嚢胞性線維症患者
嚢胞性線維症患者の最大90%が膵臓機能不全を患っており、脂肪の吸収が困難なため、ビタミンA欠乏症のリスク(危険)が高まる [1,41]。オーストラリアとオランダでの研究では、嚢胞性線維症の小児および青年の2%から13%がビタミンA欠乏症であることが示されている [42,43]。そのため、嚢胞性線維症の標準的な治療には、生涯にわたるビタミンA(米国およびオーストラリアでは年齢に応じて1日750 μg RAEから3,000 μg RAEが推奨されている)やその他の脂溶性ビタミン、膵酵素の投与が含まれている[41,43]。
胃腸症状を有する人
クローン病および潰瘍性大腸炎の小児の約4分の1がビタミンA欠乏症であり、これらの疾患を持つ成人、特に数年間疾患を抱えている人もビタミンA欠乏症のリスク(危険)が高い [44,45]。これらの疾患を持つ人へのビタミンAサプリメントの使用を支持するエビデンス(科学的根拠)もあるが [46]、一方で他の研究では、サプリメントは有益ではないという結果も出ている [47]。新たにセリアック病と診断された小児および成人の一部にもビタミンA欠乏症が見られる。グルテンフリーの食事は、この欠乏症を解消できるが、必ずしも解消できるとは限らない [48-51]。
ビタミンAと健康
ここでは、ビタミンAまたはカロテノイドが何らかの役割を果たしている可能性がある3つの疾患と障害、すなわち、がん、加齢黄斑変性症(age-related macular degeneration:AMD)、および麻疹に焦点を当てる。
がん
ビタミンAは細胞の成長と分化を調節する役割があるため、ビタミンAと各種のがんとの関連性を調べた研究がいくつかある。しかし、血清中のビタミンAレベルやビタミンA補給と、がんリスク(危険)やがん関連死との関係は不明である。このファクトシートには、ビタミンAの代謝物であるオールトランスレチノイン酸(ビタミンAの代謝物で、高用量の薬剤として白血病の一種を治療するために用いられる)に関する研究は含まれていない [52,53]。
いくつかの観察研究のシステマティックレビューおよびメタアナリシスでは、レチノール、カロテノイド、果物、野菜、またはそれらの組み合わせを多く摂取すると、肺がん [54]、非ホジキンリンパ腫 [55]、膵臓がん [56]、口腔がん [57]、喉頭がん [57]、食道がん [58]、卵巣がん [59,60]、神経膠腫 [61]、 膀胱がん [62]のリスク(危険)が低くなることが示されている。しかし、他の観察研究では、異なる形態のビタミンAの摂取と肝臓がん [63]、非ホジキンリンパ腫 [64]、結腸直腸がん [65]、前立腺がん [65]、または全がん [66] のリスク(危険)との関連性は認められていない。
一部の臨床試験によるエビデンスよると、ビタミンAの補給が特定のがんのリスク(危険)を低減する可能性があるとする一方で、他のがんや心血管疾患の罹患率および死亡率、全死因死亡率を増加させる可能性があることが示唆されている。以下に例をあげる。
カロテンとレチノールの有効性を調べるための試験(Carotene and Retinol Efficacy Trial:CARET)には、現在または過去に喫煙していた18,314例の男女が参加しており、喫煙歴は少なくとも20パック年(例えば、1日1パックを20年間、または1日2パックを10年間など)と、アスベストに職業的に曝露された男性(肺がんのリスク(危険)が高い)も含まれており、参加者は全員45~74歳であった。この研究では、参加者を無作為に2つの群に分け、β-カロテン30mgとパルミチン酸レチニル25,000IU(RAE 7,500μg)を含むサプリメント、またはプラセボを約6年間毎日摂取させ、肺がんリスク(危険)に対する潜在的な影響を評価した [67]。この試験は、平均4年で予定より早く終了した。その理由のひとつは、サプリメントが予想外に肺がんリスク(危険)を28%、肺がんによる死亡を46%増加させることが判明したためである。また、サプリメントは全死因死亡率のリスク(危険)も17%増加させた。
その後の研究では、CARETの参加者が試験に用いられたサプリメントの摂取を中止してからさらに6年間追跡調査した [68]。この期間中、介入群とプラセボ群の肺がんリスク(危険)の差はもはや統計的に有意ではなくなったが、1つの例外があった。それは、介入群の女性は肺がんリスク(危険)が33%高かったことである。CARET研究データの別の解析では、2つのサプリメントを摂取した男性は、4年間の試験期間中は非浸潤性前立腺がんリスク(危険)が35%低かったが、介入後6年間ではリスク(危険)低下は見られなかった。一方、別のサプリメント(通常はマルチビタミン)を自己判断で摂取していた男性が、これら2つのサプリメントを追加摂取した場合は、試験期間中は浸潤性前立腺がんのリスク(危険)が52%高かったが、試験終了後の期間ではリスク(危険)増加は見られなかった[69]。
α-トコフェロール、β-カロテン(Alpha-Tocopherol, Beta-Carotene:ATBC)がん予防研究でも、β-カロテンサプリメントが喫煙者の肺がんリスク(危険)を高めることが分かった [70]。この研究では、平均喫煙期間35.9年、1日平均20.4本のタバコを吸う50~69歳の喫煙男性29,133例が、50mg/日のα-トコフェロール、20mg/日のβ-カロテン、α-トコフェロールとβ-カロテンの両方、またはプラセボを5~8年間摂取した。β-カロテンサプリメントは、肺がんのリスク(危険)を18%増加させたが、他の部位のがん発生率にはほとんど影響を及ぼさなかった。β-カロテンを摂取した参加者の全体的な死亡率は、主に肺がんと虚血性心疾患により、8%高かった。。その後の研究では、これらの参加者のうち25,563例をさらに18年間追跡調査した [71]。この期間中、参加者らはもはやサプリメントを摂取していなかったが、ほとんどの参加者は喫煙を続けていた。最初の試験でβ-カロテンを摂取していた参加者では、肺がんのリスク(危険)は高くなかったが、前立腺がんによる死亡リスク(危険)は20%高かった。
加齢性眼疾患研究2(Age-Related Eye Disease Study2:AREDS2)は、50~85歳の参加者4,203例を対象に、β-カロテン(15mg[7,500 μg RAE])を含む複数の成分を含むダイエタリーサプリメントのAMDへの影響を検証した5年間のランダム化比較試験である [72]。試験開始時に喫煙者だった場合、β-カロテンを含むサプリメントは投与されなかった。試験終了時、β-カロテン群では非β-カロテン群よりも肺がんの発症例が多く(23例対11例)、34例中31例が元喫煙者であった。AREDS2試験終了から5年後(この間、β-カロテンの代わりにルテインとゼアキサンチンを含むAREDS2処方薬を摂取)の参加者3,882例を対象とした追跡調査の解析では、肺がんリスク(危険)の増加が持続しており、β-カロテンを含むサプリメントをAREDS2試験中に摂取した参加者の肺がんリスク(危険)は82%も高かった [73]。
他の3件の臨床試験では、ビタミンAまたはβ-カロテンのサプリメント摂取と肺がんの発生率や死亡率との間に関連性は認められなかった [74]。1つ目の試験では、40~84歳の男性医師22,071例を対象に、12年間隔日で50mgのβ-カロテンまたはプラセボを摂取する群に無作為に割り付けた [75]。研究開始時に、医師の11%が現喫煙者であり、38%が元喫煙者であった。結果は、肺がんまたはその他の悪性新生物の症例数、あるいはがんによる死亡者数において、両群間に差は認められなかった。2つ目の臨床試験では、7,627例の女性(平均年齢60.4歳)を無作為に選別し、50mgのβ-カロテンを隔日に摂取する群、600IUのビタミンEを隔日に摂取する群、500mgのビタミンCを毎日摂取する群、およびプラセボ群に分け、平均9.4年間追跡調査した [76]。研究開始時に、女性参加者の15%は現喫煙者で、41%は元喫煙者であった。いずれのサプリメントも、肺がんを含むがんの総発生率やがんによる死亡率に有意な影響は認められなかった。3つ目の試験では、微量栄養素の欠乏がよく見られる中国・臨渓市在住の40~69歳の健康な男女29,584例が対象となった [77]。この試験では、参加者を無作為にプラセボ群と4種類のビタミン・ミネラル配合剤(レチノールと亜鉛を含有するものと、β-カロテン、ビタミンE、セレニウムを含有するものの2種類)の摂取群に分け、5.25年間、摂取を継続させた。研究者は、参加者がサプリメントの摂取を中止した後もさらに10年間追跡調査を行った。サプリメントに含まれる栄養素の量は、米国の推奨摂取量と同程度か、または2倍であったが、研究報告書には正確な用量は記載されていなかった。介入期間および追跡調査期間の両方において、肺がんによる死亡率は5つの群間で差異は認められず、さらに年齢、性別、喫煙状況による差異を解析した結果でも同様であった。
CARETとATBCの研究結果は、パルミチン酸レチニルの有無にかかわらず、β-カロテンの大量補給が、現在または過去の喫煙者とアスベストにさらされた労働者に有害な影響を与えることを示唆している。しかし、上述の他の研究では、同様のビタミンA用量が使用されていたが、現在または元喫煙者の割合は少なかったため、この懸念は示されていない。非喫煙者においては、β-カロテンおよびビタミンAのサプリメントは、がんのリスク(危険)に影響を及ぼさないようである。
加齢黄斑変性症(age-related macular degeneration:AMD)
加齢黄斑変性症は、高齢者における重大な視力低下の主な原因となっている[78]。加齢黄斑変性症の発症には、遺伝的素因、環境因子(酸化ストレスへの暴露を含む)、および通常の加齢の間の複雑な相互作用が関与している[78]。加齢黄斑変性症の病態生理における酸化ストレスの役割を考慮すると、抗酸化機能を持つカロテノイド、例えばβ-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチンなどを含むサプリメントは、この症状の予防や治療に有益な可能性がある。特にルテインとゼアキサンチン(既成ビタミンAではない)は、加齢黄斑変性症によって損傷を受ける目の組織である網膜に蓄積する。
AREDS試験では、進行した加齢黄斑変性症を発症するリスク(危険)が高い参加者(すなわち、中間期の加齢黄斑変性症患者、または片目に進行した加齢黄斑変性症を発症している患者)が、β-カロテン(15mg[7,500 μg RAE])、ビタミンE(180mg[400 IU] dl-α-トコフェリルアセテート)、ビタミンC(500mg)、亜鉛(80mg)、銅(2mg)を5年間投与したところ、プラセボを投与した参加者よりも、進行した加齢黄斑変性症を発症するリスク(危険)が25%低下したことがわかった [79]。
追跡調査であるAREDS2試験では、中央値で5年間の追跡期間において、このサプリメントが加齢黄斑変性症の進行を抑制する効果が確認された [72]。しかし、この追跡調査では、ルテイン(10mg)とゼアキサンチン(2mg)またはオメガ3脂肪酸を追加配合しても、追加的な効果は得られないことが示された。重要なのは、この追跡調査で、β-カロテンは必須成分ではないことも明らかになったことである。β-カロテンを含まない元のAREDS処方でも、同様に進行性加齢黄斑変性症の発症に対する保護効果が得られた。
より詳細な解析では、食事からのルテインとゼアキサンチンの摂取量が最も少ない参加者は、この2つのカロテノイドを含むサプリメントを摂取した場合、摂取しなかった場合と比較して、進行した加齢黄斑変性症のリスク(危険)が26%低かった [72]。また、β-カロテンを含まず、ルテインとゼアキサンチンを含む改良型AREDSサプリメントを摂取した参加者は、β-カロテンを含み、ルテインとゼアキサンチンを含まない処方のサプリメントを摂取した参加者よりも、進行した加齢黄斑変性症のリスク(危険)が18%低かった。
その後の研究では、4,504例のAREDS参加者と3,738例のAREDS2参加者(平均年齢71歳)を対象に、中央値で10.2年間にわたって複数の栄養素の食事摂取量をモニタリングした [80]。ビタミンA、β-カロテン、またはルテインおよびゼアキサンチンの摂取量が最も高い2つの五分位に属する参加者は、後期加齢黄斑変性への進行リスク(危険)が低かった。例えば、ビタミンA摂取量が第5五分位群では第1五分位群と比較して後期加齢黄斑変性症リスク(危険)が18%低く、第4五分位群では第1五分位群と比較して後期加齢黄斑変性症リスク(危険)が20%低かった。
5年間のAREDS2試験の終了時、参加者は全員、β-カロテンの代わりにルテインとゼアキサンチンを含むAREDS2の最終処方を提示された。研究者らは、これらの参加者のうち3,882例をさらに5年間追跡調査した [73]。10年後、ルテインとゼアキサンチンを含むAREDS2サプリメントを摂取した参加者は、β-カロテンを含むサプリメントを摂取した参加者と比較して、後期加齢黄斑変性症への進行リスク(危険)がさらに20%減少していた。この結果は、β-カロテンをルテインとゼアキサンチンに置き換えることの有益性を裏付けるものである。
加齢黄斑変性症を発症した、または発症しつつある人は、ビタミンAの摂取およびAREDSで用いられたサプリメント製剤について、今かかっている医療機関※に相談する必要がある。
麻疹(はしか)
2019年、麻疹が原因で世界中で207,500人以上の死者が出ており、そのほとんどが低所得国の幼児であった [81]。重症麻疹の主なリスク(危険)要因はビタミンAの不足である。世界保健機関(World Health Organization:WHO)は、ビタミンA欠乏症の発生率が高い地域に住む小児に対して、麻疹による罹患や死亡を防ぐために大量のビタミンAを経口投与することを推奨している [39]。推奨される投与量は、生後6~11カ月の乳児にはビタミンA 30,000 μg RAE(100,000 IU)を1回、1~5歳児には60,000 μg RAE(200,000 IU)を4~6カ月ごとに投与することである。
2013年、ビタミンA欠乏症に関連する麻疹による死亡は11,200件に上り、その95%以上がサハラ以南のアフリカと南アジアで発生している。この研究におけるランダム化比較試験(randomized controlled trials:RCT)のプール解析では、ビタミンAの補給は麻疹による死亡リスク(危険)を26%低下させることがわかった。しかし、ビタミンA補給に関する6件のRCT(年齢に応じて15,000 μg RAE [50,000 IU] から 60,000 μg RAE [200,000 IU])をまとめたコクランレビューでは、ビタミンA補給は麻疹による死亡リスク(危険)には影響を与えないことがわかったが、一方で、新たな麻疹患者の発生を防ぐのに有用であることが認められた [82]。これらのRCTでは、生後6カ月から5歳までの小児19,566例を対象に、麻疹による罹患と死亡を予防するためのサプリメント摂取の価値を評価した。

ビタミンA過剰摂取による健康上のリスク
ビタミンAは脂溶性であるため、体内、主に肝臓に過剰に貯蔵され、その濃度は累積する可能性がある。
急性ビタミンA中毒は、ビタミンA過剰症とも呼ばれ、1回または数回にわたって非常に高用量(通常はRDAの100倍以上)を摂取すると、数日から数週間で発症する [83]。その結果、激しい頭痛、視力障害、悪心、めまい、筋肉痛、協調運動障害などの健康問題が現れる。重症の場合は、脳脊髄液圧が上昇し、眠気を引き起こし、最終的には昏睡状態、さらには死に至ることもある [83]。
慢性的なビタミンA過剰症(高用量の摂取を常習的に行う)は、皮膚の乾燥、筋肉や関節の痛み、倦怠感、抑うつ、肝機能検査値の異常を引き起こす可能性がある [83]。
既成ビタミンAの総摂取量がULを超えたり、局所療法として用いられる一部のレチノイド薬(例えば、重度のニキビの治療に用いられるイソトレチノインや、重度の乾癬の治療に用いられるエトレチナート)を摂取すると、先天性欠損症を引き起こす可能性がある [1]。これらの先天異常には、眼、頭蓋骨、肺、心臓の奇形が含まれる可能性がある [14]。専門家は、妊娠中または妊娠の可能性がある人、授乳中の人に対して、ビタミンAサプリメントを大量摂取(1日3,000 μg RAE [10,000 IU] 以上)しないよう助言している [1]。
既成ビタミンAとは異なり、β-カロテンの催奇形性や生殖毒性は知られていない[1]。長期間的な過剰なβ-カロテン摂取の最も一般的な影響は柑皮症(carotenodermia)であり、これは無害な症状で、皮膚が黄橙色になる状態である [3]。この症状は、β-カロテンの摂取を中止することで回復する。しかし、ATBC試験では、大量のβ-カロテン(20mg/日)をビタミンE(50mg/日)と一緒にまたは単独で5~8年間摂取したところ、喫煙男性の肺がんリスク(危険)と死亡率(主に肺癌と虚血性心疾患による)が上昇することがわかった [70]。CARET試験でも、大量のβ-β-カロテン(30mg/日)とレチノイン酸パルミチン酸エステル(7,500 μg RAE(25,000 Iu)/日)を、現喫煙者および元喫煙者、ならびに職業的にアスベストに曝露した一部の男性が対して4~8年間摂取したところ、肺がんおよび肺がんによる死亡のリスク(危険)が高まったことが示された [67]。
米国食品・栄養委員会(FNB)は、β-カロテンと他のプロビタミンAカロテノイドのULを設定していない[3]。しかし、FNBは、一般の人々に対して、ビタミンA欠乏症を予防するためのプロビタミンA源としての使用を除き、β-カロテンサプリメントの使用を推奨していない。
既成ビタミンAの許容上限摂取量(上限量、Tolerable Upper Intake Level:UL)
FNBは、食品とサプリメントの両方の摂取量に適用される既成ビタミンAのULを制定している[5]。FNBは、男女における肝臓異常のリスク(危険)増加、催奇形性作用、乳児と小児における複数の毒性作用に関連する量に基づいて、これらのULを設定した。
年齢 | 男性 | 女性 | 妊娠 | 乳婦 |
---|---|---|---|---|
生後0~12カ月 | 600 µg | 600 µg | ||
1~3歳 | 600 µg | 600 µg | ||
4~8歳 | 900 µg | 900 µg | ||
9~13歳 | 1,700 µg | 1,700 µg | ||
14~18歳 | 2,800 µg | 2,800 µg | 2,800 µg | 2,800 µg |
19歳以上 | 3,000 µg | 3,000 µg | 3,000 µg | 3,000 µg |
*これらのULは、動物由来の製品およびビタミンAがすべてレチノールまたはパルミチン酸レチニルのようなそのエステル型からなるサプリメントにのみ適用される。しかし、多くのダイエタリーサプリメント(マルチビタミンなど)は、ビタミンAのすべてがレチノールまたはそのエステル型として供給されているわけではない。例えば、一部のサプリメントに含まれるビタミンAは、その一部または全部がβ-カロテンで構成されている。このような場合は、サプリメントに含まれるレチノールまたはレチニルエステルの割合を、個人のビタミンA摂取量がULを超えるかどうかの判断材料にする必要がある。例えば、ラベルに3,000 μg RAEのビタミンAを含み、その60%がβ-カロテンから来る(つまり40%がレチノールまたはレチニルエステルから来る)ことを示すサプリメントは、1,200 μg RAEの既成ビタミンAを摂取することになる。この量は、出生から8歳までの小児のULを上回っているが、それ以上の年齢の小児や成人のULを下回っている。
医薬品との相互作用
ビタミンAは一部の医薬品と相互作用を起こす可能性がある。加えて、複数の医薬品によりビタミンAレベルに悪影響が及ぶことがある。以下に例を記載する。定期的にこれらの医薬品を服用している人は、ビタミンAの 摂取について今かかっている医療機関※に相談する必要がある。
減量治療薬のオルリスタット(Alli、Xenical)は、ビタミンA、その他の脂溶性ビタミン、β-カロテンの吸収を低下させ、一部の患者で血漿中レベルを低下させる可能性がある[84,85]。AlliおよびXenicalの製造会社は、オルリスタット服用患者に、ビタミンAとβ-カロテン、および他の脂溶性ビタミンを含むマルチビタミンサプリメントを摂取するよう勧めている[86,87]。
レチノイド類
ビタミンAを原料とするいくつかの合成レチノイドは、処方箋薬として経口投与されている。例えば、乾癬治療薬のアシトレチン(Soriatane)や、T細胞リンパ腫の皮膚効果の治療に用いられるベキサロテン(Targretin)がある。レチノイドは、ビタミンAのサプリメントと併用すると、ビタミンA過剰症のリスク(危険)を高める可能性がある[85]。
ビタミンAと健康的な食生活
連邦政府の「2020–2025 Dietary Guidelines for Americans(2020-2025年版 米国の食事指針)」では、「食品は健康に役立つさまざまな栄養素やその他の成分を提供するため、栄養ニーズは主に食品を通して満たす必要がある。…場合によって、強化食品やダイエタリーサプリメントは、他の方法では1つまたは複数の栄養素の必要量を満たすことができない場合(例えば、妊娠などの特定のライフステージ)に有用である。」と記載されている。
健康的な食生活の構築についての詳細は、「Dietary Guidelines for Americans(米国の食事指針)」[英語サイト]と米国農務省の「MyPlate(私の食事)」[英語サイト]をご覧ください。
「Dietary Guidelines for Americans(米国の食事指針)」では健康的な食事を次のように述べている。
- さまざまな種類の野菜、果物、全粒穀物、無脂肪もしくは低脂肪ミルクと乳製品、油を重視している
- 多くの果物、野菜、乳製品はビタミンAの良い供給源である。すぐに食べられる朝食用シリアルにはビタミンAが強化されているものがある。
- 海産物、赤肉、鶏肉、卵、マメ科植物(インゲン豆、エンドウ豆)、ナッツ類、種子、大豆食品などのさまざまなタンパク質食品にも含まれる。
- 牛レバーにはビタミンAが多く含まれ、その他、卵や一部の魚にも含まれている。
- 糖分、飽和脂肪、ナトリウムを多く含む食品や飲料を制限する。
- アルコール飲料を制限する。
- 1日に必要なカロリーの範囲内に収まっている。
(※補足:原文では、healthcare provider。米国では主に医療サービス等のヘルスケアを提供している病院/医師を指す。また、健康保険会社や医療プログラムを提供する施設等も含む。)
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更新日:2025年6月19日
監訳:大野智(島根大学) 翻訳公開日:2021年3月12日
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